*ベトナム国立劇場によるチェーホフ『ワーニャおじさん』の舞台
演出:杉山剛志
NEWS
TUFS多文化教育研究プロジェクト「多文化共生としての舞台芸術」(2022) について
主催:言語文化学部
共催:総合文化研究所
目的
「舞台芸術」にはいろいろな形態がありますが(演劇、ミュージカル、オペラ、バレエ、歌舞伎、能、コンサート、人形劇、サーカス…)、そこでは、言葉、歌、音楽、美術、舞踊といったさまざまな要素が絡みあい、一体となってひとつの芸術をつくりあげています。これだけですでに、舞台というのは異文化が触れあい衝突しあい融合しあう多文化共生のひとつのモデル、あるいはメタファーだと言ってもいいわけですが、本学の場合、外語祭で学生たちが披露する「語劇」は、そこへさらに外国語という要素が加わるので、文字どおり多文化?多言語による共同作業?共生を、身をもって実践する営為だということになります。
「多文化共生としての舞台芸術」は、さまざまな文化的?社会的環境のなかで生きる人たちのそれぞれの視点からその喜びや悲しみを演じ、その地域の言語や文化を深く理解しようという学生たちを応援するためのプロジェクトです。芝居という身体的実践を通じてこそ、他者の考えや気持ちが真に理解できるのではないでしょうか。
本学のこうした取り組みを広く社会と分かち合いたいという思いから、2021年度から連続セミナーを公開することにしました。世界の舞台芸術の多様性と普遍性について、学生、教員が理解を深め、研究していきますので、学外の皆さまもぜひ学生たちの活動を応援していただくとともに、舞台芸術の世界の多様性と豊かさにも触れていただければと願っています。
概要
2021年度には8回の連続セミナーを開催し、それぞれの回で好評を博しました。
2022年度は、「多文化共生」としての視野をさらに広げ、ヨーロッパの現代演劇に始まり、東アジア(中国)、南アジア(インド)、中東(イラン)、ラテン?アメリカ、東アフリカ(ウガンダ)の演劇、パフォーマンスについて、それぞれの地域の演劇文化に精通した6人の先生方にオンラインでの講演をしていただきます。
① 連続セミナー「多文化共生としての舞台芸術」(主催:言語文化学部)
*「テーマ」をクリックすると詳細ページに移ります。
|
日時 | テーマ | 講演者 |
---|---|---|---|
第1回 | 2022年5月24日(火) 18:00-19:30 |
共生社会と現代演劇 | 平田栄一朗(ひらたえいいちろう)(慶應義塾大学文学部教授) |
第2回 | 2022年6月14日(火) 18:00-19:30 |
ウガンダの舞台空間に見る音と身体 | 大門碧(だいもんみどり)(北海道大学 国際連携機構?特任助教) |
第3回 | 2022年7月26日(火) 18:00-19:30 |
中国の現代演劇と日本 | 飯塚容(いいづかゆとり)(中央大学文学部教授) |
第4回 | 2022年10月11日(火) 18:00-19:30 |
インド演劇踏査から多様と共生を考える | 宮尾慈良(みやおじりょう)(比較演劇学者) |
第5回 | 2022年11月1日(火) 18:00-19:30 |
イランの殉教劇(タァズィエ)と多文化の出会い | 山岸智子(やまぎしともこ)(明治大学政治経済学部教授) |
第6回 | 2022年12月6日(火) 18:00-19:30 |
演劇は誰のもの? 南米演劇にみる多文化共生 | 吉川恵美子(よしかわえみこ)(上智大学名誉教授) |
経緯
もともとは、2004年度に本学の「生きた言語修得のための26言語?語劇支援」プログラムが、文科省の「特色ある大学教育支援プログラム」に採択されたことがきっかけで始まった取り組みですが、事業期間が終了した後もずっと続けられてきました。今回、これをさらに拡充して「TUFS 多文化教育研究プロジェクト『多文化共生としての舞台芸術』」として本学の多文化多言語教育研究の一角に位置づけることとしました。