学部長メッセージ

川村 大

国際日本学部長

伊集院 郁子

 国際日本学部では世界各国からの留学生と日本人学生がともに学び、多角的な視点で「日本」を探求しています。

 変化の激しい現代社会において、日本はどのように変わり、あるいは変わらずにいるのでしょうか。私たちが内側から見る日本と、外から見る日本は同じ姿をしているのでしょうか。本学部では日本をフィールドとして、社会、文学?文化、言語、言語教育といった多様な領域を横断し、国際的な視座から日本を捉え直します。ここで学ぶ皆さんには自身の考える「当たり前」を疑い、さまざまな視点や研究手法を用いて日本に対する見方を徹底的に対象化し、客観的な根拠に基づく確かな知識を積み上げていってほしいと思います。

 本学部の授業には、英語と日本語をコミュニケーションツールとして、多様な文化的背景をもつ仲間と活発に議論を交わす機会が豊富に用意されています。その環境をただ受け流して過ごすか積極的に活用するかによって、卒業時の成長には大きな差が生じます。異なる価値観をもつ人々と協働して課題に取り組む経験は、社会に出てからも、皆さんを支えるかけがえのない財産となるはずです。時には考え方が対立し、理解し合うことの難しさを感じることがあるかもしれません。そうした時にこそ、対話を重ね、分かり合おうと努力する強さが求められます。壁を作って孤立するのではなく、「ことば」を通じて人とつながる力、そして、人と人をつなげていく力を培ってください。

 東京外国語大学では、1985年の日本語学科の設立以来、留学生と日本人学生がともに学ぶ教育課程において、国内外で活躍する卒業生を輩出してきました。また、留学生日本語教育センターは1970年に外国語学部附属日本語学校として設置されて以来、質の高い日本語教育や教材開発において、豊かな実績を築いてきました。本学の国際日本学部は、こうした長い歴史と伝統を受け継ぎながら、さらなる発展を目指して2019年に発足しました。

 国際日本学部での授業や活動に真剣に取り組むことによって、対話による相互理解の姿勢や他者への寛容性、主体的に考えて行動し発信する力を養うことができます。これらの力は、不確実性の時代を生きる皆さんにとって、未来を切り開く確かな礎となるでしょう。

 皆さんが、世界各国から集まった仲間とともに日本を深く掘り下げ、その視野を世界へと広げて羽ばたいていくことを期待しています。

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