TUFSグローバル?スタディーズ学会 2021年度
(第二回)大会プログラム
The Second Convention of Association of Global Studies (AGS-TUFS)
このたび東京外国語大学グローバル?スタディーズ学会(AGS-TUFS)では、以下の要領で第2回大会を開催することになりました。
We are pleased to announce that the 2nd Convention of AGS-TUFS will be held online on December 25, 2021.
大会概要 Date & Resistration
開催日
2021年12月25日(土)
Date: December 25, 2021(sat)
会議システムとしてzoomウェビナーを使用します。 Venue: Online (Zoom)
参加希望者は、以下のグーグル?フォームより12月23日(木)(申込期間を延長しました)
12月17日(土)までにお申し込みください。
申込リンク: https://forms.gle/QjUPPM9NycyDUMdb8
Registration: Please register via the link below by December 23 (The application period has been extended) December 17, 2021.
https://forms.gle/QjUPPM9NycyDUMdb8
*共通論題と特別分科会については、非会員にもご参加いただけます。
その他の分科会は、会員限定です。
* Non-AGS members may register for the Plenary Session and the Special Session. Resistraion for other sessions are for AGS members only.
連絡先:Email:ags.tufs@gmail.com
Inquiry: AGS-TUFS Secretary (ags.tufs@gmail.com)
報告一覧 Program
- 午前の部:共通論題 午前10:00~12:00 使用言語:日本語
- 「地域研究の手法と実践の可能性」 司会:岩崎稔(総合国際学研究院) [一般公開]
- 報告1:舛方 周一郎(世界言語社会教育センター)
「比較地域研究の手法と実践」 - 報告2:菊池 陽子(総合国際学研究院)
「東京外国語大学における地域研究の模索-コンフリクト科研を例に-」(仮) - 報告3:酒井 啓子(千葉大学グローバル関係融合研究センター長?教授)
「地域研究からグローバル関係学へ」(仮)
- 報告1:舛方 周一郎(世界言語社会教育センター)
- 午後の部:分科会 13:00?16:30
- 分科会1 政治?紛争 司会:萬宮健策(総合国際学研究院) [会員限定]
- 報告1:ライ ユエイ(博士後期課程)(13:00~13:45) 使用言語:日本語
「中国の「双減」政策が生涯学習の発展に及ぼす影響」 要旨1-1
討論:倉田明子(総合国際学研究院) - 報告2:郷澤 圭介(総合国際学研究院?特別研究員)(13:55~14:40) 使用言語:日本語
「後古典期後期ユカタン?マヤ村落共同体の軍事力運用」 要旨1-2
討論:大越 翼(京都外国語大学?教授) - 報告3: 佐藤ひとみ(博士後期課程)(14:50~15:35) 使用言語:日本語
「第二次大戦期スロヴァキア国への歴史認識と、スロヴァキア国家像を巡る議論」 要旨1-3
討論:鈴木 健太(神田外語大学?講師) - 報告4:Inoue, Naomi(15:45~16:30)使用言語:英語
“Business development and community engagement with respect to human rights in Southern Province, Sierra Leone” 要旨1-4
討論:山田 美和(アジア経済研究所 新領域研究センター 法?制度研究グループ長)
- 報告1:ライ ユエイ(博士後期課程)(13:00~13:45) 使用言語:日本語
- 分科会2 文学?文化 司会:水野善文(総合国際学研究院) [会員限定]
- 報告1:イドジーエヴァ?ジアーナ(博士後期課程)(13:00~13:45)使用言語:日本語
「今村夏子『こちらあみ子』における排除構造」 要旨2-1
討論:西原大輔(国際日本学研究院) - 報告2:粟生田杏奈(博士後期課程)(13:55~14:40)使用言語:日本語
「近現代ロシア文化に見られるクマの表象分析 ──文学?映像作品における、人からクマへの変身譚を中心に考察する」 要旨2-2
討論:小久保真理江(総合国際学研究院) - 報告3:勅使河原章(博士後期課程)(14:50~15:35)使用言語:日本語
「アジア太平洋戦期?対仏印文化交流政策:東宝舞踏団の仏印公演と宝塚歌劇団のベトナム伝説「コーロア物語」日本公演」 要旨2-3
討論:今井昭夫(世界言語社会教育センター) - 報告4:ヴァシャニーナ?リュドミーラ(博士後期課程)(15:45~16:30)使用言語:日本語
「江戸時代の子供文化にみるヨーロッパ玩具」 要旨2-4
討論:篠原琢(総合国際学研究院)
- 報告1:イドジーエヴァ?ジアーナ(博士後期課程)(13:00~13:45)使用言語:日本語
- 分科会3 教育?持続可能性 司会:澤田 ゆかり(総合国際学研究院)[会員限定]
- 報告1:朱松松(博士後期課程)(13:00~13:45) 使用言語:日本語
「日本の小学校における食育に関する考察 ―政策分析を中心としてー」 要旨3-1
討論:春名展生(国際日本学研究院) - 報告2:エンフバヤル?ソロンゴ(博士後期課程)(13:55~14:40)使用言語:日本語
「持続可能な開発のための教育(ESD)の新たな展開についての一考察」 要旨3-2
討論:加藤美帆(総合国際学研究院) - 報告3:Shiningayamwe Dorthea Nanghali Etuwete(博士後期課程)(14:50~15:35) 使用言語:英語
“An Analysis of the Implementation of the Namibian Education Sector Policy for the Prevention and Management of Teenage Pregnancies” 要旨3-3
討論:大橋史恵(お茶の水女子大学 ジェンダー研究所?准教授) - 報告4:ONCHOYSAKUL, Srikanlaya(博士後期課程)(15:45~16:30)
使用言語:英語
“Efficiency of Automatic Speech Recognizer and Insights into Pronunciation Training” 要旨3-4
討論:周育佳(世界言語社会教育センター)
- 報告1:朱松松(博士後期課程)(13:00~13:45) 使用言語:日本語
特別分科会 ロシアの文化と文学(神戸市外国語大学?本学合同セミナー)
司会:沼野恭子(総合国際学研究院) [一般公開]
- 報告1:井伊裕子(本学?博士後期課程)(13:00~13:45)使用言語:日本語
「移動展覧会における風景画と風俗画―ミャソエードフ?ライ麦畑の道?、?農繁期。草を刈る人?を手がかりに」 要旨4-1
討論:清水俊行(神戸市外国語大学?教授) - 報告2:平嶌寛大(神戸市外大?博士後期課程)(13:55~14:40)使用言語:日本語
「喜劇『小間物商人』に見る「ロシア文化への順化」―『おもちゃ屋』、『宝飾品店』との比較を通じて―」
要旨4-2
討論:前田和泉 - 報告3:横山綾香(博士後期課程)(14:50~15:35) 使用言語:日本語
「モスクワ?タガンカ劇場『反世界』におけるブレヒトの影響:リュビーモフ詩劇のプロトタイプとして」
要旨4-3
討論:上田洋子(ロシア文学者?株式会社ゲンロン代表取締役)使用言語:日本語 - 報告4:プロホロワ?マリヤ(博士後期課程)(15:45~16:30)
「越境する現代ロシア詩:リノール?ゴラーリクの動物表象をめぐって」 要旨4-4
討論:前田和泉(総合国際学研究院)
総会 12月25日(土)午後17:00~17:30
分科会報告要旨集
1-1 ライ?ユエイ「中国の「双減」政策が生涯学習の発展に及ぼす影響」:
中国政府は今年7月に義務教育における大量の宿題や放課後の補習による負担を軽減する方針(いわゆる「双減」政策)を通達した。その目的は、生徒を受験用の詰め込み教育から解放するとともに、家計の教育費負担を軽減することにあった。しかし実際に学習塾などの取締りが始まると、当初の目的から外れた現象も生じた。閉鎖された学外の補習校や教育機関は幅広い年齢層に多様な教育サービスを提供しており、小中学生の受験教育に特化していたわけではない。このため本通達は民間の教育産業に対して厳しい制約要因となり、市民の生涯学習に副作用をもたらす可能性がある。本報告では生涯学習の発展という視点から「双減」政策の分析と評価を試みる。
1-2 郷澤圭介「後古典期後期ユカタン?マヤ村落共同体の軍事力運用」:
メキシコ、ユカタン半島北部の先住民族ユカタン?マヤ人の後古典期後期(14~16世紀頃)の軍事組織の基本単位であった村落共同体の軍事力運用について考察する。マヤ軍事史研究で従来用いられてきた植民地期文献の記録では情報量が限られている。そのため、史料批判に加え、植民地期に編纂されたスペイン語―ユカタン?マヤ語の語彙集を使い、言語学の手法である認知意味論的分析も活用し、彼ら固有の概念の復元も試みる。これにより、先行研究ではほとんど扱われなかった村落共同体の戦闘員や戦闘部隊の性質、演習方法、諜報警戒活動、実戦での戦力運用等について明らかにする。
1-3 佐藤ひとみ「第二次大戦期スロヴァキア国への歴史認識と、スロヴァキア国家像を巡る議論」:
989年に体制転換が起こると、スロヴァキア国内ではそれまで語られ得なかった過去が歴史議論のテーマとして取り上げられ始めた。第二次大戦時に誕生したスロヴァキア国の問題である。スロヴァキア国を巡る歴史議論の口火は亡命知識人によって切られたが、それは国内の知識人にも広がり、スロヴァキア国の評価を巡る論争に発展した。本発表では、スロヴァキア知識人間のスロヴァキア国への歴史認識の差異を、スロヴァキア作家同盟の機関紙『文学週刊』を用いて明らかにする。そして、歴史認識の差異は、当時チェコスロヴァキア連邦を構成していたスロヴァキア共和国について、彼らが描いていた未来像の差異とも関連していたことを示す。
1-4 Inoue, Naomi “Business development and community engagement with respect to human rights in Southern Province, Sierra Leone”:
Active engagement of national-level civil society, including National Human Rights Institutions (NHRIs) and National Human Rights Commissions (NHRCs), is an opportunity for African countries to hurdle the constraints in limited resources of these stakeholders to promote business and human rights (BHR). In Sierra Leone, the NHRCSL did a BHR baseline assessment in 2014, yet the project was not continued due to limited resources. The NHRCSL has restarted promoting BHR 2021. On the occasion of training, employees of significant foreign investments joined and learned the fundamental issues of BHR. The focus issue was community engagement and how to handle conflict between companies and communities. However, it is not well discussed how these stakeholders effectively work with companies with the involvement of rights-holders. Therefore, the study will explore the issue by using a company that invests in Sierra Leone.
2-1 イドジーエヴァ?ジアーナ「今村夏子『こちらあみ子』における排除構造」:本発表では、2010年のデビュー以来、数々の文学賞を受賞し、注目を浴びている現代日本の作家、今村夏子の作品における暴力問題と排除構造を分析する。今村作品では、周囲から疎外され、本人なりに努力してもそれが報われず、自身と周囲の人々が暴力の連鎖に巻き込まれる、という人物がしばしば描かれる。主人公は最初から排除されているか、作品が展開するにつれて排除され、それに伴って作中には不穏な空気が醸成されてゆく。今回は第一作『こちらあみ子』に着目し、精神的暴力によって生贄として排除される主人公の形象を考察する。
2-2 粟生田杏奈「近現代ロシア文化に見られるクマの表象分析 ──文学?映像作品における、人からクマへの変身譚を中心に考察する」:本発表は近現代ロシアの文学?映像作品のうち、人からクマへの変身譚を題材として取り上げたものに対して分析を行い、ロシアの物語作品におけるクマの役割を考察するものである。ロシアのクマ変身譚には様々な種類があり、罰としてクマに姿を変えられた人間の物語もあれば、自分の意思でクマと人の姿を行き来する物語も存在する。 近世以降の欧州の物語作品では動物への変身はネガティブな要素として捉えられやすい。しかしロシアのクマ変身譚はクマを完全な負のイメージとしては描写せず、あえて人間の持つ愛すべき「弱さ」の象徴として描いている傾向にある。クマ変身譚分析はロシア文化におけるクマの重要性を再確認することにも繋がるだろう。
2-3 勅使河原章「アジア太平洋戦期?対仏印文化交流政策:東宝舞踏団の仏印公演と宝塚歌劇団のベトナム伝説「コーロア物語」日本公演」:太平洋戦争開始前1941年秋,日本は宝塚歌劇団公演を介した日本と仏印の相互文化交流を計画した。1941年11月から、宝塚歌劇団の東京組織である東宝舞踏隊の慰問公演が仏印で行われ、11月26日から12月19日の間ハノイとハイフォンで計9回の有料一般公演も行われた。一方、仏印の伝承伝説を日本に伝え、宝塚歌劇団にて歌劇化することも計画された。1942年1月文化使節として仏印に派遣された森三千代により、仏印の伝承伝説がいくつか小説化され,その中の『金の亀物語』が宇津秀男により『コーロア物語』として歌劇化され,1942年11月から宝塚大芸場で上演された。翌年1月からは東京宝塚劇場でも上演され好評を得た。豪在住のベトナム史研究者チャン?ミィ?ヴァンは「世界で初めてベトナムの伝説が国外で上演された。」としており、宝塚歌劇団による事例はアジア太平洋戦期の日本ー仏印間の文化交流の成功の一例といえよう。
2-4 ヴァシャニーナ?リュドミーラ「江戸時代の子供文化にみるヨーロッパ玩具」:本報告の目的は、16?17世紀にヨーロッパ人が日本文化にもたらした影響とその受容、およびそれらが子供文化の一部となっていく過程を整理することによって、江戸時代の伝統的な文化に、ヨーロッパの玩具が、いかなる影響を与えていったのかを可能な限り明らかにすることである。本報告では、特にヨーロッパから入ってきた玩具文化に焦点を当てる。
まず、子供文化の研究史をまとめ、つぎに、ヨーロッパから入ってきた玩具文化について、19世紀前期に喜多川節信が記した「嬉遊笑覧」という随筆を用いて説明する。便宜上、江戸の子供文化におけるヨーロッパの玩具は、①「大人が使った玩具」と②「子供が使った玩具」と分類され、①のグループには覗きカラクリなどが含まれ、②のグループにはシャボン玉などの遊びが含まれている。本報告では、覗きカラクリとシャボン玉を取り上げ、ヨーロッパからの遊びが日本に伝来して以降、道具?遊び方が変化していった様を明らかにする。 全体の報告を通し、ヨーロッパ文化から入ってきたものがいかに日本的に受容され、日本独自の玩具へと作り変えられ、日本の伝統的な文化に深く根ざしていった様子を明らかにする。
全体の報告を通し、ヨーロッパ文化から入ってきたものがいかに日本的に受容され、日本独自の玩具へと作り変えられ、日本の伝統的な文化に深く根ざしていった様子を明らかにする。
3-1 朱松松「日本の小学校における食育に関する考察 ―政策分析を中心としてー」:
近年、中国では食育に関する議論が盛んになってきたが、食育についての研究は依然少ないようである。また、中国の小学校では、食品安全に関する問題が多発しており、多くの小学生が食生活に問題を抱えている状態がみられる。これらの問題点に対して、筆者は小学校における食育を研究する必要があると考えた。一方、食生活における諸問題を解決するために、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンなどの国々は様々な取組みを実施している。小学校現場において、食事や食育への関心は高まっているとみられる。例えば、英国では「学校で提供される食物に関する基準 (School Food Standards)」が公表され、「よりよく食べ、よりよく活動する」(Eat Better, Do Better)などのキャンペーンが実施された。食育を実施される代表国の日本では、様々な取り組みが行われ、小学校における食育の実施?推進は順調に進んでいる。また、日中両国の食文化は近く、直面している食問題も類似しているだろう。中国の小学校における食育を実施?推進するため、日本におけるどのような取り組みが参考になれるのか、日本からどんな啓示が得られるのか。 これらの問題を抱えながら、筆者は日本の事例を中心とし、日本で明らかにされている法律や政策を踏まえながら、小学校における食育の社会背景および実施状況を考察することを主たる目的とする。そこで本稿では、政策分析を中心として、日本における食育の展開を概観し、日本の小学校における食育の社会背景および実施状況などを検討していく。
3-2 エンフバヤル?ソロンゴ「持続可能な開発のための教育(ESD)の新たな展開についての一考察」:
持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development:ESD)とは現代社会のあらゆる課題を自らの問題として捉え、身近な所から取り組むことにより課題解決につながる新たな価値観?行動を生み出し、持続可能な社会を創造していくことを目指す学習?活動である。そもそも、持続可能な目標(SDGs)の基盤になるのはESDであり、教育なしではSDGsを達成することが不可能だとされている。ESDはSDGsを実現するための人づくりだと位置付けられている。本研究では、ESDの研究動向の一端を明確にし、その中でもESDで最も重視される価値観?能力について考察する。又、今後求められるESDのあり方や学習内容について言及する。
3-3 Shiningayamwe Dorthea Nanghali Etuwete, “An Analysis of the Implementation of the Namibian Education Sector Policy for the Prevention and Management of Teenage Pregnancies'':
The Namibian Government has recognised the enormity of teenage pregnancy, by rolling out the Education Sector Policy on the Prevention and Management of Learner Pregnancy (ESPPMLP) in 2013. The policy aims to decrease the number of pregnancy cases and increase the number of pregnant learners completing schools. However, the cases of learner pregnancy have been on the rise and the number of learners dropping out from school due to pregnancy have not reduced in Namibia. This paper aimed to analyse the extent to which the policy has been implemented among Namibia schools. Data was collected using desktop analysis and literatures reviews. The study found that Namibia has a responsive and flexible policy covering wider aspects including gender, reproductive and sexual education, and counselling. Even though policy unrestrictedly re-admit learners after giving birth, it does not offer extra classes missed by teenagers during the leave of absence. The rights of the teenage mothers are not fully protected as they are constantly experiencing prejudices at the hands of teachers and fellow learners. The policy is inhibited by the inadequate teachers to offer life skills and mentorship programs. There are high cases of sexual violence and unsafety school environment among school contributing to high cases of teenage pregnancies. The policy is also faced with disproportionate cases of teacher-leaners sexual relationships. The community members, including parents of the teenage mothers, hide cases of teenage pregnancy committed by the school teachers, hindering the disciplinary hearing at the Namibian Ministry of Education. The ESPPMLP does not have a proper monitoring and accountability framework, as it is based on principles but not on legality. This paper recommends the Ministry of education to open dialogues about sexual violence within schools and teacher-learner relationship as matters of concern in the policy implementation.
Key Words: Teenage, Pregnancy, Re-entry Policies, Prevention, Management, School-dropout.
3-4 Onchoysakul, Srikanlaya, “Efficiency of Automatic Speech Recognizer and Insights into Pronunciation Training”:
In the automated speaking assessment, an automatic speech recognizer’s (ASR) performance has a significant impact on the overall score. Lower proficiency learners’ performances are believed to deteriorate the efficiency of the ASR. This study aims at investigating the effect of proficiency level on the ASR’s accuracy. Responses by the learners to a random open-ended question were rated holistically and transcribed by the ASR and human, and the transcripts from both were compared. The result shows that the accuracy of the transcripts of the learners range from 67.21 to 74.63. The correlation between the word recognition rate (WRR) and level of proficiency was not significant. The major segmental causes of the mis-transcription include the omission and the replacement of consonant sounds. For suprasegmental level, stress on a different syllable and pausing pattern have crucial effects, in addition to grammatical errors. Accumulated causes can cause a profound effect on the accuracy.
4-1 井伊裕子「移動展覧会における風景画と風俗画―ミャソエードフ?ライ麦畑の道?、?農繁期。草を刈る人?を手がかりに」:
グリゴリー?ミャソエードフ(1834-1911)は移動展覧会発足時から参加し農民の日常生活を描いた画家である。移動展覧会において風俗画と風景画は田園を主要テーマに据える点において共通しているが、農村生活を描く風俗画と自然の美しさを希求する風景画は明瞭にジャンルの区分けがなされていた。しかしながら風俗画家として出発したミャサエードフは1880年代から風景画モチーフに興味を持ち始め、1881年に?ライ麦畑の道?、1887年に?農繁期。草を刈る人?という農村生活を活写した風景画を発表することになる。 本発表においては風俗画と風景画両方の要素を持つ二作品を手がかりに移動展覧会における風景画と風俗画の関係性を考察する。
4-2 平嶌寛大「喜劇『小間物商人』に見る「ロシア文化への順化」―『おもちゃ屋』、『宝飾品店』との比較を通じて―」:
ロバート?ドッズリーの『おもちゃ屋』と、その翻訳であるクロード=ピエール?パテュの『宝飾品店』、そして、これらの翻案であるВ. И.ルキンの『小間物商人』を比較する。特に、教育的観点、命名法、新たな劇人物といったルキンによるアダプテーションの技法について検討し、彼がいかに外国喜劇を換骨奪胎したのかその一端を明らかにしたい。また、喜劇作家スマローコフへの個人攻撃という、ルキンのみならず当時のロシア人劇作家全員が陥っていた自己矛盾についても指摘する。
4-3 横山綾香「モスクワ?タガンカ劇場『反世界』におけるブレヒトの影響:リュビーモフ詩劇のプロトタイプとして」:
ソ連の演出家ユーリー?リュビーモフによる文学作品を脚色した社会批評的な演劇は、60年代半ばから20年以上ソ連演劇の中心であった。特に詩は重要なモチーフで、複数の詩を組み合わせて詩人の世界観を表現した「詩劇」を得意とした。
「詩劇」の1作目『反世界』(1965)は当時のロシア詩23篇をロックの演奏や寸劇を交えながら役者たちが朗読する作品で、リアリズム一辺倒のソ連演劇界にとって画期的であった。その着想は「雪解け」を機にソ連でも注目されたドイツのブレヒト(詩人?劇作家)から得たと考えられる。本報告では『反世界』におけるブレヒトの影響を明らかにしながら、リュビーモフが演劇に詩を取り入れた狙いを検討する。
4-4 プロホロワ?マリヤ「越境する現代ロシア詩:リノール?ゴラーリクの動物表象をめぐって」:
現代ロシア詩において、形式も内容も含めて既存の枠組みを越えるために様々な試みが行われている。ロシア語で執筆しているイスラエル在住の作家?詩人、リノール?ゴラーリク(1975年生まれ)の詩では、その手段として動物表象が積極的に使用されている。人間とともに身近な動物、エキゾチックな動物、フォークロアの動物などが頻繁に登場するのみならず、人間と動物が融合する描写や平等なものとして並べられる描写も数多く見られ、ロシアの思想から文学にまで深く根付いている種の階層意識に縛られない世界観が描き出される。本発表では、ゴラーリクの詩における多様な動物表象を分析しながら、その描写方法によって得られた新たな展望について論じていく。
Program:
10:00-12:00 Plenary Session, "Potential of Area Studies: Methods and Practices" [in Japanese] [Open to non-AGS members]
13:00-16:30 Sectional Sessions
Session 1: Politics and Conflicts [in Japanese, with a presentation in English] [AGS members only]
Session 2: Literature and Culture [in Japanese] [AGS members only]
Session 3: Education and Sustainability [in Japanese, with some presentations in English] [AGS Members only]
Special Session: Russian Culture and Literature [in Japanese] [Open to non-AGS members]
17:00-17:30 General Meeting
*The full English program with details of presentations in each session is still in preparation. We will post the link on the registration form when available.
Inquiry: AGS-TUFS Secretary (ags.tufs@gmail.com)