TUFS Cinema SDGsを考える映画特集『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』『イスラームの変革者?女性イマームの誕生?』

東京外国語大学TUFS Cinemaは、映画を通じ、世界の諸地域における社会?歴史?文化の理解を深めることを目的として行っています。
今回は「気候変動」と「ジェンダー」をテーマにした2本のドキュメンタリー作品の上映とトークを行い、SDGsについての理解を深めます。本上映会はオンラインイベントWATCH2025:For a Sustainable Futureと連動したもので、上映作品の字幕翻訳やトークイベントの企画は学生が手がけています。
開催情報
日時 2025年7月6日(日) 13:00開映 (12:40開場、16:50終了予定)
会場 東京外国語大学 アゴラ?グローバル プロメテウス?ホール
プログラム
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『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』本編上映(43分)
上映後トーク(45分) 古川 高子(東京外国語大学 世界言語社会教育センター 特任講師)
休憩
15:00上映開始
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『イスラームの変革者?女性イマームの誕生?』本編上映(59分)
上映後トーク(45分) 村山 木乃実(東京外国語大学 アジア?アフリカ言語文化研究所特任研究員)
その他 入場無料、事前登録制、一般公開
共 催 東京外国語大学TUFS Cinema
日本映像翻訳アカデミー(JVTA)
東京外国語大学大学の世界展開力強化事業(米国等) ― 太平洋を『架橋』するブリッジ?パーソン養成プログラム (TP-Bridge) ―
協 力 東京外国語大学多言語多文化共生センター
事前登録フォーム
事前登録制での開催となります。
登録フォーム
https://sanda.tufs.ac.jp/event/tc250706form/
※ フォーム登録後に登録メールアドレスに受付完了メールが届きます。当日、入口にて受付完了メールをご提示いただきますので、ご準備くださいますようお願い申し上げます(スマホ画面で問題ありません)。
※ 事前登録がなくてもご来場いただくことは可能ですが、会場入口で参加登録をしていただきますので、事前にご登録いただくとスムーズにご入場いただけます。定員を超える場合は、事前登録を済ませた方を優先させていただきます。
作品紹介①
『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』
監督?脚本:ニルス?ベーカンプ
撮影:フェリクス?クライクスハイム、ミラン?トゥカーシク
編集:アンドレア?ペク
音楽:イリヤ?ケスター
製作:ヴィヴィアン?シュレーダー
出演:ニルス?ベーカンプ、ジュリア?キム、ティンレイ?ナムギエル
2020年/ドイツ/43分/ドイツ語?英語/日本語字幕/英題 DAY ZERO | Austria and Bhutan – A Glimpse Into the Future
あらすじ
監督のニルス?ベーカンプがブータンとヨーロッパを旅しながら、気候変動と人間の暮らしの関係を見つめ直すドキュメンタリー。自然と調和したブータンの有機農業やGNH(国民総幸福量)の思想を通して、私たちの消費行動や価値観に問いを投げかける。
本作について
本作は、「気候変動」という重いテーマを静かな語り口で問いかけてくる。監督のニルス?ベーカンプは、成長と消費を前提とする社会から距離を置き、自然との共生を実践するブータンを訪れることで、未来へのヒントを探る。特に、GNH(国民総幸福量)という独自の指標を掲げるブータンの姿勢は、観る者に対して「豊かさ」とは何かを根本から問うてくるだろう。また映像表現も詩的かつ力強く、五感に訴えかけてくるものがある。
作品紹介②
『イスラームの変革者?女性イマームの誕生?』
監督:マリー?スコウゴー
撮影:マリー?スコウゴー、スンヒ?エンゲルストフト、マティアス?ニューホルム?シュミット
編集:ビエル?アンドレス
音楽:フィリップ?ボワ=ヴィヴ
製作:ビエル?アンドレス
出演:シェリン?カーンカン、サリハ?マリー?フェッテ、ヒシャム?モーナ、ファイズ?カーンカン
2019年/デンマーク/59分/デンマーク語?スウェーデン語?アラビア語?英語/日本語字幕/英題 The Reformist – A Female Imam
あらすじ
女性主導によるモスクの開設を目指すイマーム、シェリン。イスラム教に対する誤った認識や恐怖が広がりつつある現実に際し、シェリンを中心とするモスクのメンバーは従来のジェンダー?ヒエラルキーからの脱却を推進する。そんな彼女の挑戦は支持を集める一方で、組織内の対立も表面化する。
本作について
本作の主人公シェリンは、フィンランド人の母とシリア人の父を持つ、型破りな女性イマーム(イスラームの宗教指導者)である。彼女の姿勢は、デンマークのキリスト教徒だけでなく、イスラム教徒たちからも批判を受ける。ドキュメンタリーの中心となる異教徒間の婚姻をめぐって、彼女とイスラム教徒たちの間に生じる見解の対立は、本作の大きな見どころだ。批判の矢面に立ちながらも、イスラム教徒の女性たちやマイノリティの尊厳と権利を守ろうと奮闘する彼女の姿から、目が離せない一時間だ。
上映後トーク
『自然と未来~オーストリアとブータンからの学び~』
古川 高子 FURUKAWA Takako
東京外国語大学 世界言語社会教育センター 特任講師
専門はヨーロッパ?オーストリア史/アルピニズム、自然と人間の社会史。主著?論文に「オーストリアにおける「保守派」の反原発運動とその環境保護思想」『クァドランテ』No.16(2014)、「歴史を背負った山」『ドイツ文化事典』(共著、丸善出版社、2020)、映画吹替?字幕翻訳にフレディ?ムーラー監督『緑の山』(1990年制作、日本公開2017年、2020年)など。