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東京外国語大学
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活動報告

地域講演会「地政学を左右する国際エネルギー情勢」

2016.09.16

開催概要

「地政学を左右する国際エネルギー情勢」講師:松尾博文(日本経済新聞社 論説委員兼編集委員)

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松尾講師は、世界各地を勤務又は訪問している国際通のジャーナリストであるが、特に中東についてはスペシャリストであり、その名前はよく知られている。今回は、中東情勢分野では著名な講師の講演ということもあり、約80人という多数の聴衆が集まった。

同講師のテーマとしてはエネルギーが取り上げられた。中心は、原油を取り巻く情勢であったが、その価格急落に揺れ動くサウジアラビアを中心とする中東の事情に加え、それと深くかかわりをもつロシア及び米国の状況が詳しく説明された。シェール革命の中にある米国、ベクトルが東方となりつつあるロシアという点についての説明は興味深いものであった。また、中東の国としては、原油大国でもあり、かつ、核開発問題にもからむイラン事情についても詳しく説明された。さらに、過去原油価格の動向に強い影響力を示してきたOPECが今や価格調整能力を持たなくなった背景、特にその中でのサウジアラビアの事情についての講師の明確な説明は説得力あるものであった。
2014年の夏以降、世界が原油急落という深刻な問題に直面する中にあるということは、聴衆も十分把握しており、講演後の質疑応答は、かなり専門的内容に広がったが、講師はこれに的確に答えていた。
講師の説明に聴衆は真摯に耳を傾けていたが、これは今回のテーマが高い関心を向けられているものであることを示すものであった。

なお、今回は、川崎汽船株式会社に会場を提供いただいたが、この点につき、当センターとして謝意を表明したい。


開催日

2016年9月16日(金)

概要/内容

■日 時: 2016年9月16日(金)14時00分~15時30分 (受付開始13時30分より)
■会 場: 川崎汽船株式会社 本社内会議室1401号(大会議室)
      〒100-8540 東京都千代田区内幸町2丁目1番1号 飯野ビルディング
(「霞ヶ関」駅C3出口より徒歩1分)
(アクセス?地図) http://www.kline.co.jp/corporate/map/index.html
■講 師: 松尾 博文氏(日本経済新聞社 論説委員兼編集委員) 
■講演テーマ: 「地政学を左右する国際エネルギー情勢」
■入場無料、要?事前申込み

■申し込み: 講演会参加ご希望の方は、お名前、ご所属、ご住所、E-MAILアドレスをお書き添えの上、メール( icsic@tufs.ac.jp )または本ホームページ「Web申込みフォーム」よりお申込みください。

■締 切:2016年9月9日(金)
※事前登録のみ、当日会場でのお申し込み不可

主催 東京外国語大学 社会?国際貢献情報センター

<講演概要>
2014年夏に原油価格が急落してから2年となります。原油安は日本のような消費国には恩恵をもたらしますが、中東やロシア、南米など、原油や天然ガスの輸出に国家収入の多くを依存する産油国は深刻な問題に直面し、これが新たな世界のリスクとなりつつあります。

原油価格はなぜ急落したのか。原因を探ると、米国を起点とする「シェール革命」にたどり着きます。シェールオイルやシェールガスと呼ぶ新しいエネルギー資源の大増産はエネルギーの需給だけでなく、世界の経済?産業や安全保障の構図を変えつつあります。

一方、石油輸出国機構(OPEC)の盟主であるサウジアラビアでは、原油価格の低迷と混迷する中東情勢の下で新たな指導者が登場しました。外交?軍事、経済、石油などの権限を握るムハンマド副皇太子です。30歳の若き副皇太子は世界最大の原油輸出国をどこに導こうとしているのか、世界が注目しています。

そのほか、米欧と核問題で合意したイランの動向や、イスラム国(IS)の台頭に揺れるイラクなど、地政学に密接に関係する最新の国際エネルギー情勢についてお話しいたします。