考古学演習案内 講義へ 卒論演習へ
考古学演習は3、4年生に卒論執筆、卒業研究を指導することを主目的に設定された授業科目です。わたしを指導教官に選んだ方々は4年生になってわたしの卒論演習を履修してください。
もちろんわたしを指導教官にしていない人も履修可能です。どうぞ参加して下さい。
2年生でこれから指導教官を選ぼうという人は、以下のゼミ案内を読んで、12月のゼミガイダンスをわたしの研究室で行いますので、出席してください。ガイダンスの日程については、研究室の扉、そしてホームページにお知らせいたします。
1. マトリックス
領域:社会
地域:東南アジア
2. 講義科目開講形態とキーワード
授業題目:東南アジア考古学
曜日・時限:木曜、5限、半期2コマ開講
キーワード:1.国民国家とナショナリズム、16.歴史、 文化の表象と実践
◆ゼミ案内授業科目名:考古学演習
担当教官:小川英文
曜日・時間・教室:金曜日、4限、フィリピン語共同研究室
演習の目的:
考古学が近代国民国家の枠組みのなかでどのように構築されてきたかその過程を学び、自己や他者がどのように表象され、そうして生み出されたイメージがどのように社会のなかで機能してきたかを理解する。受講者を考古学の専門家に育てる意図はないので、各人の問題関心にしたがって、ひろく文化とイデオロギーや表象の問題に対するアプローチの方法を学びとることを目的とする。
演習の内容・計画:
前期には、まず考古学とナショナリズムとの関係における問題の所在を説明する。その後、ナショナリズムをめぐる近年の議論を検討するため、考古学以外の諸分野にわたる論文を受講者に提示するので、そのなかからひとつの論文を選んで報告してもらう。後期には各人が設定したテーマにしたがって発表をしてもらうので、夏休み前にテーマを決め、休み中に発表内容をまとめてもらう。後期終了時にはレポートを提出してもらう。
キーワード:
1.国民国家とナショナリズム、4.植民地主義、16.歴史
テキスト・参考書等:
授業で用いる論文についてはコピーを配布する。それ以外に読むべき文献については読書案内を配布する。
事前の準備:
ゼミで読み回しを行う各論文は、考古学から現代の諸思潮へと分野が大きく逸脱するが、いずれも現在、文化をめぐる議論に提起されている諸問題に関するものである。報告・発表担当者以外の受講者もそれらを毎回事前に読んでおき、議論に資するコメントを用意してゼミに出席してほしい。
成績評価の方法:
ゼミ発表および議論への貢献度、そして提出されたレポートを評価の基準とする。
受講上の注意:
受講者の発表と議論を中心としてゼミを進めていくので、各人が特定のテーマや問題意識を設定して、積極的に取り組んでほしい。
定員・選抜方法:
定員は10名とする。定員を超える希望者がある場合は、レポートと面接によって選抜する。欠員が生じた場合は、定められた手続きを経て二次募集を行う。
◆担当教官紹介
氏名:小川英文
連絡先:研究室:042−330−5307
自宅:042-384-1912、e-mail: kidlat@d1.dion.ne.jp
専攻分野:フィリピンを中心とする東南アジアの考古学
現在の研究テーマ:
1.熱帯雨林狩猟採集社会と農耕社会の相互関係の歴史的プロセスに関するモデル構築
2.国民文化としての考古学の歴史と限界性
3.非文明考古学の可能性
最近の著書・論文等:
1.「狩猟採集民ネグリトの考古学」、『採集狩猟民の現在』、言叢社、1996年
2.「貝塚洪水伝説−フィリピン、ルソン島北部カガヤン河下流域における貝採集民の民族考古学」 『東南アジア考古学』17号、1997年
3.Problems and Hypotheses on the Prehistoric Lal-lo, Northern Luzon, Philippines - Archaeological Study on the Prehistoric Interdependence between Hunter-Gatherers and Farmers in the Tropical Rain Forest -『東南アジア考古学』10号、1998年
4.「考古学者が提示する狩猟採集社会イメージ」『民族学研究』63-2号、1999年
5.『交流の考古学』(編著)、朝倉書店、2000年