湊十分所史料集
- 刊行
- 著者等
- 菱田忠義、吉田ゆり子(編)
- 出版社
- 東京外国語大学出版会
内容の紹介
17世紀初頭から1872(明治5)年まで、現在の千葉県富津市上総湊に置かれていた徴税役所の役人を務めた菱田家に伝えられた膨大な行政文書を翻刻し解題を付した史料集。
燃料源である薪炭や材木、房総の山の産物など、巨大都市江戸の消費を支えた物流を解明する重要な史料であるとともに、日本各地にみられる「十分一」と呼ばれる税のあり方を考えるための貴重な史料群の一つである。
編者のコメント
吉田ゆり子(大学院総合国際学研究院/教授)
千葉県の歴史のみならず、日本の歴史上でも貴重な史料集です。史料所蔵者で郷土史家でもあった故菱田忠義氏は、史料の門外不出、史料集を刊行するまでは外部への閲覧停止、という厳しい掟を設け、史料集の編纂を私に託されました。非力なため、たいへんな時間を要することとなりましたが、忠義氏の妻で古文書の解読をされた故菱田敏子氏やご家族の期待にもお応えし、ようやく史料集として刊行していただけたことを嬉しく思っています。ぜひ、広くこの史料集を使っていただきたく思っています。