2016年度 活動日誌
3月 活動日誌
2017年3月
GJOコーディネーター 安 昭映
先月、LCCの 済州(チェジュ)航空が仁川(インチョン)と福島とを結ぶ3月からのチャーター便に関するニュースが大きく取り上げられた。東京電力福島第1原発事故に伴う健康被害を恐れて乗務を拒否する乗務員が相次いだり、この機体を利用する乗客からも不安を訴えているということ。結局、 済州(チェジュ)航空はチャーター便の出発地を福島空港から仙台空港に変更することを発表した。このニュースのため仙台への関心も高まり、仙台地方は放射能から安全な地方なのかという問い合わせがたくさん寄せられ、これを受けて知り合いから宮城県ソウル事務所の所長を紹介していただくことにした。
早速アポをとってソウルの中心部にある宮城県ソウル事務所へ訪問した。所長及び事務所のスタッフの方々がご親切に迎えてくださった。所長に大学生らからのよくある質問などを伝えたら先ずは宮城県の放射線?放射能をリアルタイムで確認できる放射能情報ページ(http://www.r-info-miyagi.jp/r-info/ko)を直接見せてくださった。日本語はもちろん韓国語?英語?中国語でも閲覧できるので日本語がわからない学生も簡単に情報を得ることができる。また、福島から遠い地方の放射線量とも比べて確認させてくださったので、みんなが最も懸念する放射線?放射能から全く安全だということが分かった。
そして、日本三景の一つである松島をはじめ蔵王など、韓国人にはあまり知られていない観光地や食材豊かな宮城県のグルメなどを紹介していただいた。2時間近くお邪魔したのだが宮城県について全て聞くことができないほど見どころも食べ物も豊富な地域だと思った。所長も1日で全部は説明できないので、宮城県が制作し運営している宮城観光ナビサイト(https://www.pref.miyagi.jp/site/kankou-ko/)と宮城県ソウル事務所サイト(http://www.miyagi.or.kr/)を教えてくださった。
宮城県についてなら電話でも相談ができて希望すれば宮城県ソウル事務所に見学して説明を聞くこともできるし、希望者が大勢いる場合、所長が宮城を紹介に学校まで来てくださるという。いつも学生らにはネット上のデマに振り回されないで客観的な情報だけを受け入れてもらいたかったので、とても力になるありがたい提案でうれしかった。GJOソウル事務所のほうからも正しい情報を伝えるために協力できることがあったらぜひ協力しますし、これから両方とも協力し合っていきたいという意見を交わした。長い時間ご相談してくださった宮城県ソウル事務所に感謝する。





2月 活動日誌
2017年2月
韓国外国語大学校GJOコーディネーター 安 昭映
先月、学生たちに各地域別韓国事務所を紹介した。学生は旅行前に旅行先の事務所に行って観光のパンフレットや地域案内のパンフレットは手に入れたが、事務所がとても静かで声をかけづらく食堂の問い合わせなどはできなかったそうだ(笑)。それでもパンフレットは旅行に役に立ったし、旅行の情報だけではなく地域の情報が載ったパンフレットもあって旅行先の地域について勉強することもできてよかったそうだ。これからもこのような形で地域情報に関してお世話になることが多くなると思い、各事務所へ下見に回ってきた。
1. 長崎県ソウル事務所
ソウルの中心部「光化門」に位置している長崎県。下見が目的だったのでアポを取らないで行ったのだが、ご親切に長崎県所長が長い時間を費やして長崎県の紹介やソウル事務所の活動現況を案内してくださった。長崎県ソウル事務所もGJOも日本のことを韓国に発信するという共通の目的を持っているので、これから協力できることがあったら連絡を取り合うことにした。
長崎県ソウル事務所は 一般財団法人自治体国際化協会ソウル事務所の一つの件で、長崎県のほかにも茨城県、富山県、京都府、鳥取県、愛媛県、高知県、宮崎県、鹿児島県からの派遣職員も常駐しているので、各県についての情報をいつでも提供してもらえる。



2. 静岡県ソウル事務所
長崎県ソウル事務所から徒歩5分、ソウル市庁の近くに位置している静岡県事務所。学生が言った通りとても静かな雰囲気だったが、声をかけたら副所長が笑顔で出てきてくれた。名刺を渡してGJOの活動や目的を伝え、副所長から静岡県の紹介や事務所の活動も聞かせてもらった。静岡県ソウル事務所には韓国人のスタッフがいて韓国語で相談も可能なので、気軽に問い合わせをすることができるという。



3. 沖縄県事務所
長崎県ソウル事務所の隣に位置してる沖縄県ソウル事務所。 秋山成勲が出演した韓国のバラエティー番組でも紹介されたこともあって観光地として知られている。観光案内を中心としたパンフレットが豊富だ。テーブルも設けてあって、事務所でじっくり閲覧することができる。



4. 新潟県ソウル事務所
静岡県事務所から徒歩3分、長崎県事務所から徒歩8分のところに位置している。事務所の空間がオープンされていて他の事務所より声をかけやすい。 川端康成の小説『雪国』は韓国でも有名で、雪国をアピールするパンフレットが目立つ。
韓国人のスタッフにGJOの活動目的を伝え、これからGJOから訪問する学生への協力をお願いした。




各事務所のホームページを見たら各自治体の情報の発信が主な活動で、GJOが各事務所からその活動を通じた協力を得れば今までより専門的で、公信力のある情報を伝える活動ができるのではないかと思った。そこで、事務所のスタッフの方と実際会ってGJOについて案内をし協力をお願いしたら、ご協力してくださることを約束してくださってとてもありがたかった。 特に、多くの韓国の大学生の参加を求める自治体の行事やイベントがあるというので、GJOが力になれることがあったらぜひ協力したいと思う。これからお互いの力を合わせることでもっと大きなシナジーを得ることを期待する。
1月 活動日誌
2017年1月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
12月末から2月末までは冬休みなので学校は閑散としている。そして1月には韓国の民族的な2大祝祭日のひとつであるお正月(元旦)がある。
韓国のお正月は旧暦のお正月を過ごすので毎年のお正月が1月中旬から2月のはじめの間になることが多く、今年は1月27日から30日までの短い4連休のお正月だった。
韓国の伝統的なお正月の風景といったら、帰省する人々で高速道路やKTX(日本の新幹線にあたる)の駅が込んでいて、普段会えなかった親族と集まって一緒にお正月を過ごすのが一般的だった。しかし、最近ではその風景も変わり、帰省の代わりに旅行に行く人々で空港が込んでいる。お正月の連休を使って海外旅行に行く家族が増えてきたからだ。今年のお正月は4日だけの短い連休で、日本や中国、東南アジアなど韓国から遠くない国が人気だったそうだ。
お正月に日本へ家族旅行に行く学生たちがいて、旅行の計画を立てるのに聞きたいことがあるとソウルオフィスに問い合わせてきた。ネットやガイドブックを中心に計画を立てているが、ほとんどが観光客向けで観光客がたくさん集まるところばかりだという。地元の住民のおすすめの穴場を紹介をしてほしいということだった。しかし、私も彼らが旅行に行くところの地元の人ではないので穴場の情報は乏しい。それで日本現地の人がスタッフがいる在ソウル県事務所を紹介した。全国の観光情報をまとめている日本政府観光局ソウル事務所をはじめ、各県を韓国に知らせるためにソウルに事務所を出している宮城県、北東北三県?北海道、新潟県、長崎県、静岡県ソウル事務所を紹介した。各県の事務所がソウルの中心部に位置しておりアクセスも便利で、各県から派遣されたスタッフが駐在しているので彼らの探している地元の住民の穴場も聞ける。事務所には観光情報のほかにも地域の情報も豊富で各県が製作した詳しい内容のバンフレットなども置いているので、旅行前に目を通せば日本を倍以上楽しめるというこつも伝えた。ネットやガイドブックでは覚えられない体験や記憶に残るいい思い出をいっぱい作ってきてほしい。
12月 活動日誌
2016年12月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
12月4日ソウルで日本語能力試験(JLPT)が行われた。試験のために長い間図書館に集まって勉強をして、解決できなかった問題があったらGJOに質問に来ていた学生たちも今回の試験で積んできた実力を披露した。試験も終わりリフレッシュがしたいのだが、遊んでばかりでは今まで積んできた知識が吹っ飛んでしまうのではないかと不安なので日本語を手放さないで楽しめる方法があったら教えてほしいと聞きにきた。
動詞の活用を覚えるのが一番大変で、今でもいまいち理解ができないというので、動詞の活用を楽しく覚えられるカードゲームを提案したら、みんな喜んで提案を受け入れた。
易しい語彙のオレンジ色の名詞カード、ピンク色の副詞カード、緑色の動詞(基本形)カード、黄色の形容詞カード、白の文法カードを各3セット用意した。そしてわたしがホストになり次のようにゲームを進めた。
*グループ活動
1.くじ引きで一つのグループに3人ずつ、三つのグループをつくる。
2.各グループに動詞カードを配る。カードの語彙の意味を調べて熟知する。また、五段動詞、一段動詞、変格動詞に分類する。
3.各グループに文法カードを配る。カードの文法の意味を調べ、動詞とつなげるときの活用型を熟知する。
4.一人ずつ動詞のカード一枚をとり、各文法カードに合う活用型に変えて他の二人に教えたり、活用型が間違った場合はみんなで正しく直したりしながら活用練習をする。
5.各グループに名詞カードと副詞カードを配る。カードの語彙の意味を調べて熟知する。
6.カードを組み合わせて自由に作文してみる。
*全体活動
7.韓国語と助詞の使い方が異なる形容詞や動詞を確認する。例:~が好きだ。~が下手だ。~に~てほしい。など
8.ホストが韓国語の一つの文を読み上げると持っているカードを並べて速く完璧な日本語の文にするチームが勝ち。
日本語と韓国語は語順など類似している点がたくさんあるのでほかの言語より容易に学べるといわれているが、助詞の使い方が異なる場合が意外と多い。その故にわざと助詞のカードは用意しなかったためか8番の活動の際、意外と助詞の間違いで誤答が続出して正解までけっこう時間がかっかた。
約2時間にわたるゲームだったが、誰一人疲れる様子を見せずに最後までゲームに夢中になっていた。ゲームが終わったあとみんなに感想を聞いた。
-ゲームで日本語を勉強したのは初めて。ゲームをしただけなのに勉強もできて新鮮でとても楽しかった。
-勉強したほど試験の出来がよくなくて日本語の勉強に嫌気がさしたところだったが、ゲームが楽しくてまたやる気が出た。
-カードを繰り返し確認しなければならなかったので、語彙や文法に何度も触れ、自然に覚えることができた。
-ゲームで覚えた単語と文法はこれからも忘れないと思う。
-どうしても覚えられなかった活用とか語彙が2時間で覚えられて不思議だ。
-この勉強法だったらN1まで勉強が続けられそうだ。
-負けず嫌いで、ほかのチームに負けたくなくてつい熱中してしまった(笑)
-今までは一人暗記したので孤独で寂しい気分もしたが、今日はお互い教えてあげたり、みんなで力を合わせて合作できて楽しかった。
-これからも定期的に勉強した内容をゲームで確認したい。またゲームがしたい。
-こんなに楽しい勉強法があったら試験を受ける前に聞くんだった…そうしたらもっといい点数がとれたはずなのに…
外国語の勉強ということは自分との闘いともいえる。そして外国語検定試験はその闘いの節目になる。節目に疲れを取れなかったりリフレッシュできなかったりすると勉強を手放してしまうこともしばしばある。だが、このゲームを通じて疲れ切った学生にリフレッシュしてもらい、勉強に再び励むやる気も出してもらってこのゲームを企画した私もやりがいを感じてとてもうれしかった。
11月 活動日誌
2016年11月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
ここ数年日本に関する質問で最も多く聞かれることは「放射能」である。2011年に起きた東日本大震災以降、日本への旅行や留学の減少はもちろん日本製の食べ物、化粧品、特に赤ちゃん用品などの使用を避ける人が著しく増加した。ところが、地震から安全だと思われてきた韓国でも原発から遠くない慶州(キョンジュ)で相次いで地震が起きていて、福島原発事故や地震に対する関心が再び高まった。ちょうど韓国のテレビ局(KBS)で福島の仮設住宅に住んでいる子どもを取り上げた 『豆腐ハウス-福島にすむということは(原題:?????-????? ??? ??)』というドキュメンタリーを放送したので、今まで地震や原発に興味を見せていた学生たちとドキュメンタリーを見て地震について話し合うことにした。せっかくなので同テレビ局の 『特派員報告-世界は今(原題:????? ??? ??)』の「日本の多重利用施設の地震対応システム」も続けて見ることにした。

福島の仮設住宅に住んでいるユウキとミサキが主人公で、韓国の芸術家が毎年福島で開催している公演の特別出演が決まり、ユウキが書いた詩に韓国の作曲家が韓国の子どもたちとメロディーをつける作業をするところから始まる。ユウキとミサキは浪江町に住んでいたが、7歳の時震災が起き、何か所の避難所生活をしてきた末に今の仮設住宅に定着している。彼らは白くて四角い形をしている仮設住宅を「豆腐ハウス」と命名し、彼らの仮設住宅での生活ぶりなどを紹介する。ユウキとミサキのお父さんたちも出演し、家族を失い、跡さえ残っていない故郷に対する思いなどを語る。また、福島県内でも避難民に対する差別の視線などの暗いところも映っている。
(公演) ユウキとミサキの順番になった。メロディーをつけた韓国の子どもたちが映像で彼らを紹介する。彼らが歌う「豆腐ハウス」の歌をみんなは聞きながら対面している現実をもう一度確認する。いまだに原発問題は続いているが、徐々に回復していく中で、子どもたちの未来があると信じる。
50分余りの映像を見た後、涙ぐむ学生もいた。質問や感想の時間は30分にしていたが、予想時間を過ぎて1時間以上も続いた。みんなが口揃って「今までは放射能の危険性ばかり考えていて、被害者のことはまったく興味も持たなかった。しかしこのドキュメンタリーを通じて自然災害に対するもう一つの見方が出来た」と言った。
私もいつも「大丈夫ですか。」「危なくありませんか。」「日本政府の発表を信じてもいいですか」「放射能の怪談を聞いたのですが本当ですか。」など、放射能への恐怖や危険性ばかり聞かれていたのだ。しかし、今回のドキュメンタリーの視聴で20人近くの学生たちが東日本大震災に対する考え方や見方が変わってきていることを確認することができた。50分余りのドキュメンタリーの視聴はとても意味のある時間だったと思う。
[質問や感想]
-仮設住宅に住んでいる人はいつになったら故郷に帰ることができるんですか。
-原発事故が起きたところからもう少し遠いところに仮設住宅を建てたほうがよかったのでは?
-ほかの地域に住んでいる親戚から復興のための資金などの援助はないんですか。(韓国は結婚してからも家族との血縁関係を大事にする傾向があるのでこのような質問もあった)
-福島県内でもいじめとか差別があるということは、日本人も原発事故の危険性を知っているということですか。
-「彼らを助けることは忘れないこと、関心を持ち続けること」というナレーションが心に響きます。
-今まで私たちだけが放射能で被害を受けていると思っていました。故郷に帰れないでいる避難民たちの存在を知って反省し、東日本大震災を見直すことができました。
-韓国ももう地震から安全ではないので直ちに日本のようなシステムを取り入れるべきだと思います。
-日本人のアイディアに感心しました。
-子どもの時から地震訓練をしているから地震が起きた時の日本人の対応が的確で落ち着いているところが素晴らしいと思います。韓国は地震訓練を機関に申し込んで体験することができますが、体験ではなくて機関で義務的に訓練を実施してほしいです。
-故郷がキョンジュですが、韓国の政府が東京電力を教訓に原発対策を早くしてほしいです。家族が心配です。
-放射能の潜伏期が30年だと専門家が言っていますが、ユウキとミサキが30年後も元気でいてほしいです。
-家族を失い、遺体も見つからず、写真一枚も残っていない人の話がとても悲しかったです。なくなった家族を追憶できる遺品一つでもみつかってほしいです。
-韓国に対する日本政府の行動はまったく気に入らないのですが、同じ人間として被害者の生活は胸が痛みます。私があの立場だったらどうだったのかなと思うと悲しくて苦しくてしかたありません。
-東日本大震災のとき、韓国から援助金を渡すのが理解できませんでしたが、このドキュメンタリーをみて反省しました。復興してほしいです。
-何より子どもたちのことが一番かわいそうで、でも明るく生活しているのを見てほっとしました。
10月 活動日誌
2016年10月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
2016年10月2日、『日韓交流おまつり』がソウルのCOEXで開かれたので行ってきた。『日韓交流おまつり』は日韓国交正常化40周年を記念に2005年から日本と韓国で毎年開かれる日韓文化交流イベントである。性別、国籍、年齢に関係なくみんなが参加してお互いの文化の違いを理解し、お互いを尊重しあうきっかけになることを目的としている最大規模の日韓交流行事である。
実は、8月に日本広報文化院に挨拶に行った際に『日韓交流おまつり』のポスターを頂いて事務所で広報していた。興味を見せた学生も大勢いて、彼らも今回のお祭りに見物に行った。




*舞台

*自治体ブース



*企業ブース