2018年度 活動日誌
3月 活動日誌
2019年3月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
満開の桜の季節です。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
上海外国語大学虹口(Hongkou)キャンパスのすぐ近くには魯迅(Luxun)公園があり、そこにはたくさんの桜が植えられています。3月末現在、とてもきれいな桜が市民たちにも大変人気を博しています。
さて、この3月には、毎年恒例の東京外国語大学からの実習生をお迎えしました!
今年は博士課程の学生、張さんと張さんの2人が来てくれました。受け持った授業は第二学年の「精読」という科目で、読解教材を用いて文法や単語を習得し、日本文化への理解を深める授業です。この科目は全部で6クラスあるので、2人は1週目に1,2,4,5組を、2週目に2,3,5,6組を担当してくれました。
今年の第二学年はクラスによってだいぶ雰囲気が違うので、2人とも少し戸惑ったようでしたが、実習が終わる頃にはすっかり“先生”になっていました。
学生たちからの感想では、「真面目で優しい先生だった」「日本語がとても上手だった」「説明がわかりやすかった」などの声が聞かれました。
さて、今月、前回大好評だった多言語コーナーの、日本語のみバージョンが開催されました!
このイベントは、上海外大に開講されている主だった言語について、その言語を専攻していない学生に向けて紹介し、交流しようというイベントです。コーディネーターは前回、日本語や日本文化について簡単に講義する日本語コーナーを担当し、とても良かったとの評価をいただいたのですが、今回は、その続きというか、より詳しく、より相互交流的なイベントに仕上げました。
日本語の文字やオノマトペ、簡単な旅行会話について講義したあと、来場した学生たちと自由に話し合って、交流を深めました。
日本語を専攻していなくても、日本に対して興味のある学生がとてもたくさんいて、中には独学で日本語を学んでいる学生もいて、とても有意義な時間でした。同様のイベントが5月にまた開催されるのですが、今からとても楽しみです!
さらに今月は、院内スピーチ大会が行われました!
このスピーチ大会はいわゆる「中華杯」と呼ばれる全中華日本語スピーチコンテストへの出場者を決める大事な大会です。特に2018年夏に行われた同大会では、我が上海外国語大学の学生が優勝しましたので、先生方の気合の入りようも並大抵ではありません。
今年のテーマは「オリンピック精神と私」「日中青少年交流推進年-私の提案」の2つで、出場者はどちらか一つを選択し、スピーチします。コーディネーターは審査員として参加し、また最後に講評する大役を仰せつかりました。スピーカーの日本語レベルは全員非常にすばらしいレベルであること、またきちんと必要な知識を持っていること、さらに深く考え、ユニークな発想を心がければもっと良いスピーチになることを話しました。優勝者はまずは5月に行われる地区予選に向けて、もっと良いスピーチになるように練習を重ねる予定です。
みなさん、お疲れ様でした!
来月もお楽しみに!
2月 活動日誌
2019年2月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
新学期が始まりました!
今年の上海は晴れの日が少なく、気温も低いので、日本へ短期留学や旅行に行ってきた学生たちは「日本に残りたかった」と不満顔です。
まだまだ寒い日が続きますが、学生のみなさんには、寒さに負けずに頑張って勉強してほしいところです。
さて、新学期が始まってからまだ1週間も経っていませんが、もうさっそく研究計画書の書き方に関する質問がGJOオフィスに寄せられました!
今学期から第三学年も卒業論文の準備をすることになり、今後ますます多くの相談がくることが予想されます。
一生懸命な学生たちに応えるべく、コーディネーターも全力でサポートしてゆく所存です。
今学期も前学期同様、留学相談や学習相談を受け付ける予定です。
また、来月は東京外国語大学からの教育実習生の様子をご報告いたします。お楽しみに!
1月 活動日誌
2019年1月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
あけましておめでとうございます。
本年もなにとぞよろしくお願いいたします。
さて、1月は期末試験があり、その後すぐに春節休みがはじまります。
この春節休みを利用して日本に短期留学や旅行に行く学生がたくさんいます。
もちろん、東京外国語大学のwinter programにも学生が参加しています。
特に学部三年生たちは、上海に帰ってきたら卒業論文の方向性を決めなければいけませんので、そのための資料集めに奔走しています。
コーディネーターにも時折相談が来ますが、学生のみなさんがしっかり勉強している姿を見られるのはなんとも嬉しいものですね。
東京外国語大学から上海外国語大学へは3月にインターンシップ生が来て、日本語の授業を担当してくれます。
今年はすでにインターンシップ生と連絡を取っていて、上海外国語大学の雰囲気や学生たちの様子などいろいろと話し合って準備を進めています。
インターン生の体験記は3月にご報告しますので、お楽しみに!
12月 活動日誌
2018年12月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
みなさま、こんにちは。
本格的な冬の到来です。上海では例年、寒くなるだけで、雪はあまり降らないのですが、今年はなんと12月になってからすでに2回も雪が降りました!とても珍しいことなので、寒さにも負けずに学生たちは雪の美しさを楽しんでいました。
12月にはJLPTがあり、卒論タイトル審査があり、留学面接があり、また年明けすぐに行われる期末試験の準備などで、学生たちは大変忙しく、体調を崩しがちのようです。みなさまもお気をつけてお過ごしください。
●日本語コーナー
今月は学生たちにとってはとても忙しい時期なので、参加人数はあまり多くありませんでしたが、毎週さまざまな話題について話し合いました。
①今年の漢字
2018年の「今年の漢字」は「災」でしたね。漢字の国としてはやはり何が選ばれるのか、大いに注目していたようです。今年は特に天災が多く、防災意識の高まりやスーパーボランティアなどが話題になったことが、選出の理由として挙げられていますが、学生たちは「日本には毎年必ず天災がありませんか?」と言っていました。たしかに、多いか少ないかの違いはありますが、毎年のように自然災害が発生していますね。中国にももちろん台風や地震があるのですが、国土が広すぎて国全体に被害を与えないので、災害があってもあまり実感を伴わないようでした。
②流行語
日本の流行語と中国の流行語を比べて、類似点や相違点を話し合いました。まず日本の流行語ですが、これは多くの日本人も実感することと思いますが、「自分が実際に使った」という言葉はあまり多くない印象を受けます。日頃から日本人の友達や日本のメディアに触れている学生たちもそのように感じていたようです。反対に、中国の流行語である「錦鯉(強運の持ち主)」や「教科書式(マニュアル通り)」、「仏系(仏のように悟っていて、あらゆることに興味関心がない人)」などの言葉は、主にインターネットやテレビ番組などで実際に使用されている場面を何度も見ました。学生たちに聞いてみても、「自分も実際に使う」とほとんどの学生が答えてくれました。
③JLPT/勉強の仕方
12月の学生たちの関心事といえば、まずはやはりJLPTです。今年は特に聴解が難しかったようで、どうすれば聴解を効率よく勉強できるのか、いやそもそも聴解は勉強するものなのか?など、非常に有用な話し合いが行われました。ある学生は「わざわざ聴解のテキストを買わなくても、ドラマやアニメを見て、真似していれば自然にできるようになる。」と言いましたが、別の学生は「ドラマやアニメの日本語は作られた日本語だからあまり参考にならない。やはり実際に日本人と会話することが重要だ。」と反論しました。みなさんは外国語を学ぶとき、特にリスニング力を鍛えたいとき、どうしますか?
来月は冬休みに入ります。冬休みはメールとWeChatで相談を受け付ける予定です。
11月 活動日誌
2018年11月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
みなさま、こんにちは。
上海の今年の11月は、例年に比べて暖かい日が多いように感じます。そんな穏やかな日々を過ごす忙しい学生たちの日常をお届けします。
1. スピーチコンテスト
秋はコンテストの季節です。上海外国語大学の学生たちも、もちろんさまざまなコンテストに参加しています。そして今年は、11月3日に第31回上海市大学生日本語技能展示大会が華東師範大学で開かれ、10日には第11回上海外国語大学カシオ杯中国日本語専攻学部生?院生スピーチ弁論大会が上海外国語大学で開催されました。前者に参加したのは学部4年生の付嘉裕さんが参加し、「わたしが思う中国語教育」というタイトルで、日本の中国語教育の現状と課題についてプレゼンテーションを行いました。後者は「言葉と身体」「格差について」「言葉と国家」「宇宙開発が意味するもの」という4つのテーマから一つ与えられ、スピーチを行いました。後者では更に「死刑制度は是か非か」「AIによる結婚相手選択は是か非か」「幼児期の外国語教育は是か非か」という三つのテーマでディベートを行いました。どの学生もテーマに真摯に向き合い、一生懸命考えて、すばらしいスピーチをしていました。学生たちの頑張りの甲斐あって、上海市大学生日本語技能展示大会では4年4組の付嘉裕(Fu Jia Yu)さんが1等賞を、4年7組の朱徐为(Zhu Xu Wei)さんが2等賞を受賞しました。テーマをご覧いただければお分かりいただけるかと思いますが、いずれの大会も難しい問題について学生たちに考えさせています。これは中国の外国語学部の近年の傾向でもあるのですが、特に上海市では、「日本語+」というスローガンのもと、「日本語を使って何ができるか」を追求しています。上記の大会などはその答えの一つだと言えるでしょう。
2. 会話大会
今年もこの季節がやってまいりました。そう、会話大会です!会話大会は演劇大会で、2年生が日ごろの学習の成果を劇の形で披露する会です。ほとんどのクラスがオリジナルの台本を作っています。この日のために授業の合間をぬって一生懸命練習してきた学生たちの演劇はどれもとてもおもしろく、楽しい大会でした。
3. 日本語コーナー
11月5日に上海市輸入博覧会が開催されたのを受けて、上海外国語大学では、「語博会」、つまり多言語コーナーを開催されました。たとえば日本語学院なら、日本語のわからない他の学部生たちを対象に、日本語と日本文化の紹介をする、というものです。僭越ながらわたしが日本語学院の代表として、日本語のブースを担当いたしました。
始まる前は学生たちが興味をもってくれるかどうかとても不安だったのですが、いざ蓋をあけてみたら、なんと50人ほど入る教室は満員になり、さらに1回30分ほどの講座を5回も繰り返したのですが、いつでもたくさんの観客がいました。途中、簡単なクイズや質問などをして学生たちと交流することもでき、わたしの拙い英語を真面目に聞き取って、あとで質問をしにきてくれた学生もいました。日本語を専攻していなくてもこんなに興味を持ってくれているのだなあと、改めて実感し、彼らのために何か発信できないか、考えるためのよいきっかけになりました。
10月 活動日誌
2018年10月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
みなさま、こんにちは。
上海ではだいぶ秋が深くなりました。おいしい上海蟹の季節です。学生たちはそろそろ新学期に体が慣れてきた頃です。今回はイベントのご報告をお届けします。
1.新入生歓迎会
11日に新入生歓迎会が行われました。この9月に入学したばかりの1年生たちが、日本に関係のある歌を歌って競う合唱祭です。わたしがこのイベントに関わるのはまだ二回目ですが、毎回一年生たちの一生懸命さに心を打たれ、わたしも頑張らなければいけないと思わされます。またなんといってもこの時期の1年生は期待と希望に満ち溢れていますから、これからもしっかり勉強してほしいと思います。
2.おにぎり大会
今年もこの季節がやってまいりました!おにぎり大会は物語コーポレーションさまの支援のもと、日本の食文化の一端であるおにぎりを学生たちに体験してもらおうというものです。今年のメニューは鮭にぎり、ツナにぎり、鯖の味噌煮、鳥の唐揚げ、豚汁、果物でした。中国の食習慣では食前食後のあいさつは特になく、膳が整ったテーブルから食べ始めるのが一般的ですが、この日だけは日本式に、全ての食事が揃ってから「いただきます」をしました。学生たちが笑顔でおにぎりを頬張る姿を見て、食べ物に国境はないのだなと改めて実感しました。
また、このイベントでは食べるだけでなく、実際におにぎり作りを体験してもらうコーナーもあるのですが、年々作るのが上手になっている気がします。
おにぎりだけでなく、様々な食文化を伝えるべく、これからもがんばります!
次回は新たに始まるらしい「多言語コーナー」の日本編をお送りする予定です。お楽しみに!
9月 活動日誌
2018年9月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
みなさま、こんにちは。
新年度が始まりました!今年の9月は例年よりも雨量が少なく、気持ちの良い天気の日が続きました。幸先のいいスタートを切ることができたと思います。
今学期は上海外国語大学へ留学している東京外国語大学の学生さんからもご相談が寄せられたので、このオフィスも徐々に認知されてきたかなあと感じています。これからもよろしくお願いいたします!
さて、先学期東京外国語大学に留学していた学生と、サマースクールに参加した学生からの感想をご紹介します。(原文ママ)
(1)張綺芸(Zhang Qi Yun)さん
今度東京外国語大学に留学をして自分自身を高めた一方、初めて日本の文化と生活環境を実感しました。日本文化の中に入ることで、より完璧に日本語を習得し、よりうまく交流することができました。また、授業以外の活動にもいろいろ参加しました。東京外国語大学LETSのおかげで、日本人のパートナーとお互いに助け合って、いい友達ができました。
その他、歌舞伎、能、神道など日本伝統的な文化を身をもって体験することができ、本当にいい経験になりました。
(2)王子悦(Wang Zi Yue)さん
学校の雰囲気が大好きです。東京外大だから、外国人がいっぱいいますが、皆さんは優しく受け入れて、仲良くなってくれました。グループに分けての課題が多かったけど、グループメンバーが集まって、一緒に検討して、練習した時間は楽しかったです。そして、授業中プレゼンやディベートを無事一緒にやり終えた後の達成感が気持ちよかったです!
(3)徐紫微(Xu Zi Wei)さん
今年の夏休み、初めて東京外大に行きました。一人で留学生寮で住んでいたのに、たくさん優しい日本人の先生と留学生と一緒に勉強したから、寂しくなかったと思います。授業の内容は日本人の日常生活についての話題が多いから、いろいろ勉強になりました。うちのグループは「インタネットのスタンプ」という面白い課題を研究したので、充実な毎日を過ごしました。
また、日本人の先生と学生さんたちと会話をする機会が毎日あって、本当にありがたいでした。もっとも忘れない授業は「俳句」でした。先生は典型的な美しい俳句を解説して、学生たちに自分の俳句を創らせました。俳味が深くあるかかまわないけど、この「はじめの試し」は最高だ!
***
来月はスピーチ大会やおにぎり大会など、イベントに関するご報告をする予定です。お楽しみに!
6月 活動日誌
2018年6月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
みなさま、こんにちは。今年の6月は雨予報でも晴れの日が多く、勉強に集中しづらい日々が続きました。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。6月は学生たちにとって学年末試験の月なので、常に緊張感に溢れていました。
1.日本語コーナー
今月は以下のテーマについて話しました。
①J-popについて
いま、だれの、どんな曲が人気なのか?ということは、日本語を学ぶ学生たちにとってはとても興味のある話題です。また、スマホの音楽配信アプリが優勢な中国では、CDを所有することにあまり価値を見出さない学生も少なくありません。この日はJ-popに関して、どんなランキングがあるのか、中国で人気のJ-popは何か、どんな音楽番組を見るのか、などについて話しました。
②「VRねこあつめ」
IT技術が日々発展している今日の中国において、バーチャルペットももちろん注目されています。特に『旅かえる』という日本発のスマートフォンアプリは爆発的な人気となり、バーチャルな蛙がバーチャルな世界を旅するというただそれだけなのですが、「とても癒やされる」そうです。中国の学生にとっては日本における「猫経済」がとても不思議に映るそうで、なぜ「ねこ」あつめなのか、ということについて熱く語り合いました。
③おもしろい広告
「日本のCMは変なものが多くて、おもしろいです」と、よく言われます。たしかに中国のCMはどちらかといえば商品名や企業名がわかりやすいものが多いかもしれません。この日話題に上がったのはインスタントラーメンやキャンディのCMで、CMのためにアニメを作ったり、ブランドのキャラクターを作ったり、商品には直接関係しない物語を作ったりすることが新鮮でおもしろいと感じるようでした。
2.川柳大会
5月に投票を呼びかけた川柳大会の結果が出ました!この川柳大会は毎年3年生および2年7組の作文の授業にて創作した川柳たちをクラスで2,3句選び、投票によって最優秀作品を選ぶものです。投票は上海外国語大学日本語学院の公式SNS上で行われました。
上海外大での最優秀作品は「妻のグチ 宥めるために またグッチ」「大都会で 家を買うこそ 愛情」「見守るよ そう言った祖父 星になる」の三句でした。
3.卒業セレモニー
6月19日、上海外国語大学日本文化経済学院の2018年卒業生たちのための卒業セレモニーが行われました。当学院の卒業セレモニーでは毎回卒業生たちが制作したショートムービーを流すのですが、今回の動画は「四年後の自分に」というタイトルで、4年間の学生たちの成長がよくわかる良いものでした。
大学院に進学する人、就職する人、まだ進路が決まっていない人…、さまざまですが、これからのみなさまの輝かしい前途を祈念しております。
卒業、おめでとうございます!
5月 活動日誌
2018年5月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
労働節(International Labor’s Day)が過ぎると、本格的な夏の到来です。今年の5月は最高気温34度を記録し、例年を上回る暑さでした。みなさまはいかがお過ごしですか?
(1)朗読大会、和風盛典…イベントはまだまだ続きます!
本学では定期的に学内イベントを開催していまして、先月に引き続き、今月に開催されたイベントの報告をお届けいたします。
①朗読大会
学部1年生7クラスが参加するイベントです。クラスごとに決められた物語をお題として、面白く、斬新に、わかりやすくアレンジして発表します。今年はさるかに合戦、銀河鉄道の夜、雪女、竹取物語などがお題でした。コーディネーターは毎回審査員として参加していますが、年を経るごとに面白い解釈が出てきて、また小道具なども実に工夫されていて、聞いていてとても楽しくなるイベントです。
②和風盛典
1年の中で一番盛り上がるイベントと言っても過言ではないでしょう。それがこの和風盛典です。文化祭のようなもので、学部1年生および2年生がクラスごとに、あるいは委員会ごとに食べ物と遊戯のお店を出します。食べ物屋はおでん、たこやき、抹茶アイスなどの定番から水信玄餅などの変わり種もあり、ゲーム屋は推理ゲームやカードゲーム、占い屋などが人気でした。また、目玉はなんといっても2つの委員会が運営するお化け屋敷です。中国の学生たちはお化けや幽霊を信じていない人が多く、国全体を見ても近年はホラー映画や小説などがほとんどないので、お化け屋敷にも耐性がない学生が多いのです。日本式のお化け屋敷はとても大盛況で、悲鳴が絶えず響いていました。
(2)スピーチ大会
第13回中華全国日本語スピーチ大会華東地区決勝戦にて、本学2年崔玥盈(Cui Yue Ying)さんが特等賞を受賞いたしました!本大会ではまず「日中国交正常化40周年に際して-新時代、新交流」と「AIと私たちの生活」のどちらかから一つ選びスピーチをし、さらに「洗濯」というテーマで即興スピーチを行い、順位を競いました。どの学生もしっかり準備をしてきていて、日頃の学習の成果が伺える素晴らしいスピーチばかりでした。崔さんは7月に東京で行われる本戦に、華東地区代表として出場します。崔さん、がんばってください!
さて、日本語コーナーの時間です。今月は以下のテーマについて話しました。
①英語に翻訳しにくい日本語
懐かしい、もののあわれ、風物詩、積ん読…、これらは内包する意味が複雑なために、簡単に他の言語に翻訳できない日本語です。中国の学生にとっては、漢字を見ても本当の意味がわからないことに難しさを覚えるようで、たとえば風物詩や幽玄といった単語をどう説明するか、などをみんなで考えました。
②日本語の悪態?罵倒語
教科書にはお上品な言葉しか出てきませんが、いざ日本で留学生活をするとなれば、当然悪態語や罵倒語に遭遇します。ただ、それらを聞いても中国の学生にとってはあまり「強くない」言葉に聞こえるようです。「バカヤロー」という悪態語について報じたニュース記事を読みながら、「バカ」「バカモン」「バーロー」などの言葉の微妙なニュアンスの変化を話し合いました。
③又吉直樹さんについて
熱烈なリクエストにお応えして、お笑い芸人であり作家でもある又吉直樹さんのドキュメンタリー動画を見て、その文学観やお笑い観について話し合いました。中国では日本の芥川賞や直木賞などが毎回注目されていて、又吉さんが受賞したときもちょっとしたニュースになったほどでした。今回、ストイックに笑いを追求する姿を見て感銘を受けた学生が多く、ユーモアのある人間になるためにはどうしたらいいか、などの話題で盛り上がりました。
6月は日本語コーナーの様子をお届けする予定です。
来月もお楽しみに!
4月 活動日誌
2018年4月
GJOコーディネーター 鈴木 祐己
「上海に春はない。」と、生粋の上海っ子は言います。そのぐらい、あっという間に春は過ぎ去って、すでに汗ばむ季節になりました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今月も一生懸命な学生たちの様子をお届けします。
スピーチ大会、紅白歌合戦、クイズ大会…春学期はイベントの学期です!
本学では定期的に学内イベントを開催していますが、これらのイベントは学生たちの学習意欲を促進するとともに、勉強に疲れた彼らの息抜きにもなっています。4月は特にイベントの多い月ですが、中だるみしがちな学期の真ん中でもあるので、学生たちには良い刺激になったのではないでしょうか。
①スピーチ大会
今回のテーマは「日中国交正常化40周年に際して-新時代、新交流」と「AIと私たちの生活」の二つでした。学部1年生から3年生までの14名が出場し、それぞれどちらかのテーマについて流暢な日本語で話しました。今回のスピーチ大会は、歴代のスピーチ大会と比べると、特に発音と流暢さの点で優れた選手が多かったように思います。コーディネーターは審査員として参加しましたが、どの学生も甲乙つけがたく、協議の結果、一等賞が2人に決定するほどでした。
②紅白歌合戦
本学の紅白歌合戦は、学部1年生と2年生の計14クラスが紅白に別れ、点数を競います。今年はそれぞれのクラスに「希望」「別れ」「サウダージ」などの異なるお題が出されました。そして例年と異なり今年は、複数の楽曲を組み合わせて1つの曲にする“マッシュアップ”の手法を使ったクラスが多く見られました。今年は白組が優勝しましたが、どのクラスも素敵な歌声を聞かせてくれました。来年も楽しみにしています!
③アフレコ大会
表情や動きでカバーできる演劇とは異なり、アフレコは言葉のみでの勝負です。特に本学の聴衆は日頃からアニメに親しんでおり、演技にはこだわりのある人ばかり。その聴衆の前でアフレコを披露するのは本当に勇気のいる行為だと思います。今年のアフレコ大会のテーマは「年がバレるシリーズ」で、学生たちが幼い頃熱中し、共に成長してきたアニメ作品が使用されました。
④日本文化知識大会
「富士山の高さは?」「1972年の日中国交正常化、両国が発表した声明の名前は?」「日本庭園のなかで最も日本的な風情を備えているのは何式庭園?」「アニメ「おそ松さん」に出てくる6人兄弟のなかで、頭の上に1本だけアホ毛があるのは?」…みなさんは答えられますか?事前に予想問題集が配られたそうですが、その内容は「地理」「歴史」「流行」「文学」「政治」「風俗文化」など多岐にわたり、みなさん本当によく勉強しているなあと感心しきりでした。
さて、日本語コーナーの時間です。今月は以下のテーマについて話しました。
①日本のかわいい“名字”
雫さん、早乙女さん、白雪さん…、日本人の名字はおよそ30万種もあるそうですが、今回はその中でも「かわいい」名字について話し合いました。学生たちの中では有栖さんや初音さんが人気でした。また、中国では2文字の名字だとなんとなくかっこいい感じがするそうです。
②東京の街のイメージ
池袋女子が好きな有名人第一位は声優で、原宿女子はアイドルが好き―。もちろん好みは千差万別なので一概にくくることはできないのですが、それぞれの街に集まる人たちには傾向があるような気がします。学生たちは東京の駅と街のイメージが固定化されていることに非常に興味を持ったようで、留学している友達の住んでいる街はどうか、自分ならどこに行ってみたいか、など、盛り上がりました。
③羽生結弦選手のパレード
「平昌オリンピックで、何の競技を見ましたか?」と、学生にたずねると、8割くらいの確立で「フィギュアスケートです、羽生さんを応援しました!」という答えが返ってきます。それぐらい、羽生選手は中国でも人気があります。そんな彼のパレードのニュースはここ上海にもいちはやく届けられ、「自分の目で見たかったなあ」というため息も聞こえました。また、このとき流行った「#羽生結弦の写真撮るの下手くそ選手権」というハッシュタグに関して、写真を撮るのが大好きな上外女子たちは、過去の失敗作や傑作などを次々に披露してくれて、大いに楽しみました。
④たほいや
適当に辞書を開き、誰も知らなそうな単語の意味を当てるゲーム、第二回目です。意味を当てるのも難しいですが、単語を選定するのもなかなか大変です。音から連想できないもので、漢字を特定しにくいもので、あまりマイナーすぎないものを選ばなければなりません。また今回は、おまけとして読み方を当てるゲームもしてみました。「御御御付け」や「起き上がり小法師」は、ちょっとマイナーすぎるでしょうか?とはいえ学生たちは楽しそうに頭をひねっていました。
5月は文化祭の様子や、日本語コーナーの様子をお届けする予定です。
来月もお楽しみに!