2020年度 活動日誌
3月 活動日誌
2021年3月
GJOコーディネーター 高田 麻由
3月に入ると気温も上がり、暖かくなってきました。大学の構内の木々にも花が咲き始め、穏やかな春を感じさせます。新学期になり1か月が立ちました。学生たちに今年の春節の様子を聞くと、外出が厳しく制限されていた昨年よりは楽しむことができたと話していました。春節でもなるべく移動しないように、との指示もあったため、実家に戻らずに大学の寮で春節を過ごした学生たちも多かったようですが、寮に残っている人たちで春節のお祝いをし、にぎやかな雰囲気を楽しんでいたようです。
ずっと延期になっていた、中華全国日本語スピーチコンテストの全国大会が、3月28日(日)に北京で行われます。三年生の顧逸Gu Yiさんが、華東ブロックの代表として出場します。11月に行われた華東ブロック大会から間が空いてしまいましたが、これまでの練習の成果を出しきってほしいと思っています。
4月からは、「多言語+(たげんごプラス)」というコーナーで、日本語を専門とする学生以外に日本語や日本文化を紹介する活動が始まります。こちらのコーナーは、全15回の入門日本語コースで、大学院生のアシスタントと一緒に、簡単な日本語や日本文化を紹介します。日本文化経済学院の学生以外と接することはあまりないので、どんな学生たちが集まってくれるか、楽しみにしています。
2月 活動日誌
2021年2月
GJOコーディネーター 高田 麻由
新学期が始まりました!後期の始まりです。
四年生は、3月中旬には卒業論文の第一稿を提出することになっています。そこから修正を重ねて、5月には卒業論文を完成させます。今後ますます多くの相談がくることが予想されます。一生懸命な学生たちに応えるべく、コーディネーターも全力でサポートしてゆく所存です。
今学期は、東京外国語大学とのオンライン交流会を予定しています。留学がキャンセルになってしまった学生も多い中、日本の学生と交流できる貴重な機会になることを期待しています。また、「多言語プラス」という日本語専門ではない学生たち向けの、日本紹介授業も担当することになりました。そちらの様子も今後お伝えしていこうと思います。
1月 活動日誌
2021年1月
GJOコーディネーター 高田 麻由
1月のはじめに期末試験が終わりました。9月に始まった新年度も、前半が終了し、春節の終わる2月末まで、長期休暇期間になります。昨年は多くの学生が実家に戻り、家族と過ごしていました。しかし今年は、新型コロナウイルスの拡散を防ぐため、帰省を控えるようにとの政府からの発表もあり、寮に残っている学生も例年より多いようです。
この冬休みの期間を利用して、企業でインターンシップをしている3年生も多いです。平日は毎日、フルタイムで出勤しなければならないそうで、とても忙しいと言っていました。また出勤型のインターンシップだけでなく、今年はリモートワークでのインターンシップもあるとのことでした。また、日中友好杯作文コンテストに参加する学生もいます。課題の作文の提出は2月末。お題である「日中友好」について、どんな作文を学生たちが書いてくるのか楽しみです。
12月 活動日誌
2020年12月
GJOコーディネーター 高田 麻由
9月から始まった今学期も、あっという間に終わりに近づいてきました。年末年始は試験期間。学生たちは勉強に励んでいます。12月の末には、春以降の交換留学生を選抜するための面接も行われました。春以降の海外渡航の状況がどうなっているか、今はまだわかりませんが、今回選らばれた学生たちが無事に日本での留学生活を始められることを願っています。
中国では、昨年前半の外出制限が明けて以来、外国からの入国制限等の措置により、新型コロナウイルスの感染拡大は抑えられてはいますが、現在もその感染拡大を防ぐための様々な予防措置が取られています。中華全国日本語スピーチコンテストの地区予選も、人が集まることを避けるため、オンラインで行われました。上海外国語大学の学生がその予選を突破し、北京で行われる予定となっていた全国大会に出場する予定でしたが、昨今の状況を見て、全国大会自体が延期になってしまいました。現在では新規感染者は少なくなっているとはいえ、かなり慎重な対策が取られています。
1月のはじめの試験週間が終わると、春節を含む長期休暇期間に入ります。長期休暇中も、作文コンテスト等があるので、オンラインで学生たちの日本語学習相談などをする予定です。休み中の実家での過ごし方などを聞こうと考えていますので、来月の活動日誌では、その報告をします。
11月 活動日誌
2020年11月
GJOコーディネーター 高田 麻由
中国では例年、11月になると、各地でスピーチコンテストが開催されます。日本語を学ぶ学習者が一同に会し、日ごろの学習の成果を発表していましたが、今年は多くのスピーチコンテストはオンラインで開催されることとなりました。
11月8日に、中華全国日本語スピーチコンテスト華東ブロック大会が開催されました。この大会は、オンラインで開催され、各参加者が事前に録画したスピーチ動画での審査と、即興スピーチの発表およびその審査が行われました。即興スピーチは、テレビ会議システムを繋げて、参加者にその場でテーマが提示されたテーマが与えられます。その場で話すことを考えなければならず、まさに日ごろの学習成果の問われる場となっています。
参加した学生は、オンラインで開催された今回のスピーチコンテストは、動画の撮影のために事前に準備しなければならないことが多かったため、大変だったと話していましたが、そんな中でもみごと、特等賞の成績を収め、1月25日から行われる全国大会に出場することになりました。
全国大会は、北京で行われる予定です。この全国大会は、参加者が会場に赴き、一同に会してスピーチ大会が開かれます。まだまだ油断のならない日々が続きますが、問題なく大会が開催され、参加者それぞれが日ごろの成果を発揮できる場になるよう願っています。
10月 活動日誌
2020年10月
GJOコーディネーター 高田 麻由
新年度が始まって1か月。大学構内は、以前と同じ様子に戻りつつあるようです。私はまだ上海に戻れてはいませんが、オンライン授業で、学生からの話を聞くたびに、「もう日常に戻りつつあるのだな」と感じています。ただ、変わったものもあります。それは、スピーチコンテスト。中国国内ではこの時期、あちこちでスピーチコンテストが開催され、各地で日本語を学ぶ学生たちが1か所に集まって、日ごろの学習の成果を披露していました。ところがコロナウイルス感染拡大の影響で、大人数で集まること、長距離の移動は避けられているため、多くのスピーチコンテストはオンラインで開催されることとなりました。
来月の上旬には、上海外国語大学の学生も、オンラインのスピーチコンテストに参加します。次回はその様子についてお伝えしようと考えています。
9月 活動日誌
2020年9月
GJOコーディネーター 高田 麻由
新年度が始まりました。学生たちは大学の寮に戻り、キャンパスでの授業が再開しました。ただし、外国人の入国は制限されているため、私はまだ上海へは戻れず、日本からオンライン授業をしています。また、学生の中にも、前学期まで日本へ留学していた学生たちがいます。現在は入国制限があるために、中国人である彼らであっても、中国に戻るためのフライトがなかなか取れず、入国は難しいそうです。そのような学生たちは、入国が授業開始に間に合わなかったため、オンラインでの授業参加となりました。日本と中国を行き来する飛行機は、週に数便はあるようですが、なんとか飛行機が予約できて、中国に戻れても、2週間ホテルで隔離されないとならないなど、大学に戻るまでの道のりはなかなか大変です。9月上旬に「中国に戻れない」と言っていた学生たちも、9月末には他の学生たちと同様に、教室で授業を受けられるようになりました。
オンライン授業は、これはこれで便利な面もありますが、先生や仲間が近くにいるのを体感できるのはやはり、いいものです。この冬、コロナウイルスが再び猛威を振るうことなく、このまま落ち着いていってくれることを願うばかりです。
8月 活動日誌
2020年8月
GJOコーディネーター 高田 麻由
7月に前年度が終わり、8月は夏休みです。学生たちはそれぞれ、夏休みを楽しんでいたようですが、先生たちは夏休みも忙しい日々を過ごしていました。それは、「教科書の改訂作業」です。夏休み中、日本語の会話で使う教科書の見直しを行っていました。新しい教科書は、最近の話題や生活様式などを取り入れ、より学生たちにとって身近な会話を学ぶことができるようになっています。完成したら、このコーナーでも紹介させていただきたいと思います。
中国では、9月から新年度が始まります。ついに学生たちは大学の寮に戻ることが許され、キャンパスでの授業が再開します。ただ、一時期停止されていた外国人のVISA発行は、現在は再開してはいるものの、発給までにかなり時間がかかっています。私を含め国外にいる外国人教員は、まだしばらくは戻れないということで、オンライン授業を継続することとなっています。またしばらくは画面越しの対面ですが、また上海に戻って、学生と学食に行ったり、ちょっとした会話をしたりすることができるようになることを、楽しみにしています。
7月 活動日誌
2020年7月
GJOコーディネーター 高田 麻由
7月第一週、第二週に期末試験を終え、今学期が終わりました。新型コロナウイルスの感染拡大により、授業がオンラインへと移行し、結局今学期中に大学の校舎に戻ることはありませんでした。新年度が9月から始まるので、4年生はオンライン授業のまま、卒業式もなく卒業となりました。オンライン上では様々な催しが開催されていたようですが、同級生や先生に直接に会うことはできなかった人がほとんどで、さびしい卒業シーズンとなりました。
そんな状況の中で、今学期の成果として挙げられるのは、オンラインでの中日交流が実施できたことです。上海外国語大学が試験期間に入り、授業がなかったことで、7月9日(木)および16日(木)の世界教養科目「日本語を教える」の授業中に実施された活動報告会に参加することができました。この報告会では、上海外国語大学の「日本語作文」の授業に参加し、学生の作文修正の指導体験を行った学生たちによる発表が行われました。どの発表でも指導体験で気づきを得た、よい経験だったと話していました。「日本語を教える」という体験を通じて、日本語への興味やそれを教えることへの興味が引き出され、また各自の言語学習へのモチベーションの向上にもつながったようでした。
上海外国語大学の学生にとっても、東京外国語大学の学生に作文を見てもらえたことは、大きな刺激となっていました。来学期もまた、オンライン授業ではなくなっていたとしても、何らかの形でオンラインでの交流を続けていきたいと考えています。
6月 活動日誌
2020年6月
GJOコーディネーター 高田 麻由
オンライン交流授業は第1回、第2回ともに無事終えることができました。6月4日(木)の第2回目には、第1回のディスカッションで各グループが話し合ったことを発表してもらいました。どのグループも話し合いは盛り上がったようですが、それぞれ異なった話し合いが行われており、他のグループの発表を聞くことで、「そういう話し合いもできたのか」という気付きにもなったようです。修了後に学生が書いてくれた感想の一部を紹介します。
=今回の交流会の感想=(原文まま)
今は仕方なく全ての授業がオンライン形式になってしまったが、今回の交流会はまさに今だからこそできることを実現したと言えよう。普段は日本語を勉強しているだけで、実際日本人と話す機会はほとんどないので、非常に貴重な経験となった。
私自身は非常に口下手な人で、正直最初は少し怖かったし、ちゃんと話せる自信もなかった。しかし、グループのメンバーはみんな親切で、その後うまくフォローしてくれた。そのおかげで自分の意見を素直に言えた気がする。(上海外国語大学 2年生)
今回の交流会は非常に楽しかった。私の日本語の表現能力を鍛えただけでなく、中日の学生間の交流も深めた。しかし、残念なことに、時間が短すぎてもっと交流することができなかった。これからもっと日本の学生と交流する機会があることを望んでいる。また、今度は日本人学生との貴重なコミュニケーションの機会を得ることができたが、日本語レベルがあまり高くないから、自分の表したいことをなかなか言い出せなかった。今後、スムーズに日本人といろいろな交流ができるように、もっと日本語を勉強していきたいと思う。(上海外国語大学 3年生)
5月 活動日誌
2020年5月
GJOコーディネーター 高田 麻由
今学期も、早くも後半になりましたが、上海外国語大学でもオンライン授業が続いています。オンライン授業の強みは、距離を超えて繋がることができる点です。オンライン授業に使っているzoomなどのツールにも慣れてきたので、今月は東京外国語大学の学生たちとの交流イベントを実施しました。たまたま、木曜日の午前中にある上海外国語大学の「日本語スピーチ?プレゼンテーション」の授業と、東京外国語大学の世界教養科目「日本語を教えるⅠ 世界の中の日本A」の授業の時間が重なっていたので、その時間を利用し、交流授業を実施しました。5月28日(木)の第一回交流会では、zoomのブレイクアウトルームという機能を利用し、グループディスカッションを行いました。初めての企画でしたが、第1回目の交流会は滞りなく実施することができました。参加した学生からは、「楽しかった!」という声も聞け、企画してよかったなと思っています。6月4日(木)の第2回目には、そのグループディスカッションで話し合った内容の発表を、各グループから行ってもらう予定です。交流会で学生たちがどのような話し合いを行っていたかは、その時にわかります。どんな話し合いが行われていたのか、詳細が聞けることをわたしも楽しみにしています。
4月 活動日誌
2020年4月
GJOコーディネーター 高田 麻由
皆さま、お久しぶりです。今も世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっており、一日も早く終息しますようにと祈りながら日々を過ごしています。世界中で大きくニュースに取り上げられるようになった1月下旬、すでに大学は春節の休暇に入っており、私自身も日本に帰国していました。それがまさか、これほど長く上海に戻ることができないとは想像もしませんでした。
①オンライン授業の開始
上海外国語大学では、2月24日(月)に予定されていた新学期開始が延期になりました。それでも、「学びを止めることはできない」と、3月2日(月)に、オンライン授業による「新学期」が始まりました。最初こそ、不慣れなシステムを使用しながらのオンライン授業を教員も学生も不安に思っていましたが、1か月を過ぎるとだんだんと慣れてきて、学生もそれぞれに工夫して勉強をしています。以下は、オンライン授業が開始して1か月たった頃にある学生が書いてくれたオンライン授業についての感想です。
(原文まま)
オンライン授業は教室で行われた授業ほど効率が高くないですが、こんな非常の時期にあっては、最も良い対策とも言えるでしょう。殆どの場合は、先生方が前もって授業で使うPPTや動画などをウェブサイトにアップロードし、学生たちは授業以外の時間に自主的に勉強します。授業中、先生方は質問に答えたりテストを行ったりします。その対策のおかげで、学生たちは自分のペースで勉強を進めることができます。苦手な科目に対しては、PPTを繰り返しみたり、ネットで資料を調べたり、先生に聞いたりでしっかりと勉強できます。締め切り前に宿題を提出すれば、どのぐらい時間をかかっても構いません。得意な科目なら、適当にスピードアップしても大丈夫です。なんと言っても、早く勉強を終えれば、早く好きなことができるからです。
しかし、オンライン授業にはデメリットもあります。授業を受けるにはスマホやパソコンが欠かせないので、それらを使いながら勉強すると、気が散りやすいです。それから、長い間机の前に座ってスクリーンを見ていると、目が悪くなりかねません。運動不足になる恐れもあります。
②アフレコ大会
毎年4月に行われる配音大会(アニメのアフレコ大会)も、オンラインで実施されました。学生たちは、個々に録音した音声をアニメ動画にはめ込み、オリジナル動画を作成。それをサイトにアップロードして「アフレコ大会」を開催しました。それらの各グループが作った動画を見て、オンライン上で投票するという画期的な大会でした。学生が作った動画は、まるで本物のアニメ作品のような仕上がりになっていて、思わず見入ってしましました。
来月には、オンラインの交流授業も予定されています。この先どうなるのかわかりませんが、とにかく今はできることに取り組んでいきたいと思います。