2021年度 活動日誌

3月 活動日誌

2022年3月29日
GJOコーディネーター 岩澤 侑生子

三寒四温の言葉の通り、今月は極端に寒い日と暖かい日が繰り返しやってきて、緩やかに春の訪れを伝えてくれました。キャンパス内にある桜も咲き始めて、暖かい日は土や草の香りが漂ってきます。台湾では端午の節句を迎えると、ようやく本格的な夏になるようで、衣替えをいつすればいいのか悩みます。今日は、もう着ないと思って片付けた厚いコートを着ながら勤務しています。

日本語学科の学部生の卒業制作や卒業論文の作業が佳境のようで、何人かの学生が日本語チェックのため、オフィスにきてくれました。
 Qさんは猫が好きなので、猫に関する日本語エッセイ3篇を卒業制作の課題に決めました。エッセイの中にでてきた日本語の「既卒」という単語を、中国語にどのように翻訳していいのか分からないとのことでした。台湾の就職活動は日本のように在学中に行われるわけではなく、卒業してから特に期間を決めずに仕事を探すので、「新卒」と「既卒」の言葉の使い分けがないようです。結局、ぴったり当てはまる言葉は見つかりませんでしたが、一つの言葉の意味にこだわって考えることそのものが学びの醍醐味だと思いました。

Wさんは、好きな日本人Vtubarが、幸田露伴の「野道」を題材に読書会をするとのことで、作品の内容を教えてほしいとオフィスにきてくれました。「野道」は、主人公がインテリの先輩たちと散歩しながら野草を楽しむという単純なお話しですが、近代文学のなかで使われている日本語表現が私にとっては難しすぎて、現代では日常あまり使われていないので、辞書をひきながら簡単な日本語に直したり、時には中国語で解説しました。私にとってもいい勉強の機会になりました。

香港人留学生のHさんもオフィスに遊びにきてくれました。日本語を勉強してまだ2年ですが、発音も綺麗で、受け答えもちゃんとできていました。日本のアイドルグループとアニメが好きで、昔から日本語のテレビ番組をよく見ていたので、聞き取りは問題ないとのことなのですが、文法の勉強をしてこなかったので、意外なことにN3の試験に落ちてしまったそうです。私の場合は、中国語を勉強し始めたころ、文法や読解問題ばかりやっていたので、中国語を書くのは得意なほうでした。中国語を使ってメールでやり取りしていた台湾人と初めて会ったときに、私のスピーキング能力の低さに驚いていました。つくづく、言語能力は一つの能力だけでは測れないと思いました。Hさんには、東京外国語大学言語モジュールを紹介しました。


淡江大学の桜

2月 活動日誌

2022年2月28日
GJOコーディネーター 岩澤 侑生子

今月前半は、冬休み期間でオフィスに入室できなかったので、オンラインで学生たちと交流しました。ほとんど毎回来てくれるWさんとCさんが、台湾の旧正月の過ごし方について話してくれました。台湾の旧正月は、日本のお正月と同じように、家族や親戚が集まってご飯を食べたり、さいころをつかったゲームや《象棋》と呼ばれるボードゲームをしたりして、楽しく過ごすそうです。台湾には《紅包》と呼ばれるお年玉があります。日本と同じように大人から子供に渡されますが、子供が成人した後は、今度は両親に《紅包》を渡す風習があるそうです。

Wさんは、高校の時にカルタ部に入って日本語を勉強していたそうです。台湾ではカルタで遊ぶ機会があまりないので、今は一首しか覚えていないそうです。今度はぜひGJOでカルタ大会しましょうと約束しました。

WさんとCさんから嬉しい報告がありました。Wさんは学内の奨学金に見事合格したので、有料のビジネス日本語の講座を受けたり、日本の大学との交流会にオンラインで参加したりして充実した冬休みを送っているそうです。日本語検定試験に向けて勉強していた陳さんは、無事に1級に合格しました。台湾人の学生は、真面目にこつこつ勉強して、きちんと成果を出していて素晴らしいです。

難しい言葉を勉強したいというリクエストがあったので、日本のニュースを読んでもらいました。北京オリンピックのニュースだったので、人名でカタカナが多くて読みにくそうでしたが、いい勉強になったと言ってくれました。他にも、3月にある大学の翻訳研究所を受験するために、過去問を一緒に解きました。国語の問題や、中国語から日本語、日本語から中国語へ翻訳する問題があり、とてもレベルが高い内容でした。

チラシをみて初めてオンラインに参加してくれたJさんは、別の大学からの編入生で、実家がある屏東から参加してくれました。淡江大学のある淡水は、1月から2月にかけては冬のように寒いのですが、南の方は半袖で過ごせる気候とのことでした。台湾は日本の九州ほどの大きさなので、そこまで広くはないのですが、場所によって環境が大きく変わるのでとても面白いです。

Jさんは《高職》という5年制の学校の出身で、日本の「高等専門学校」と同じような教育機関があることを初めて知りました。より専門的な学問が学べるとのことで、近年《高職》の需要は高まっているとのことです。台湾と日本の教育制度の違いなどを話し合いました。

オンラインでは、直接話すよりもより多くの内容を話せるような気がしました。無言の時間があると気まずくなるからでしょうか、みんな間を置かずに積極的に話してくれました。オンラインの利点としては、学生たちが言い間違えた言葉をすぐに打って訂正してあげられることです。普段日本人と話す機会があっても、自分の話す日本語を直してくれる人がいないので、その場で添削してくれるからすごく助かりますと好評でした。

1月 活動日誌

2022年1月31日
GJOコーディネーター 岩澤 侑生子

今月の前半はテスト期間中だったからなのか、オフィスに誰も来ませんでした。中旬になってようやく、テストが終わった学生がテストの答え合わせをしにやってきました。「あげる、くれる、もらう」の使い方について、教科書を見ながら説明をして、例文を作ってもらいました。日本語を教えていると、普段意識していない言葉に、こんなルールがあったのかと驚くことがあります。日本語を学ぶ学生から、今まで知らなかった日本語を教えてもらうこともありますし、ネイティブほど母国語のことを知らなかったりするかもしれませんね。

林先生からお預かりしていた謝礼を受け取りに7人の学生が入れ代わり立ち代わりオフィスに来てくれたのですが、ちょっとお話ししませんか?と声をかけても、みんなテスト期間中で忙しそうで、すぐに帰ってしまいました。初めてオフィスに来てくれる学生ばかりだったので、冬休み中はぜひzoomでお話ししましょう!と声をかけました。

1月の最終週はzoomで学生と会話しました。以前からよくオフィスに遊びにきてくれているある学生は、最近台湾で人気の「カナヘイ」のスタンプを購入したのですが、スタンプに書かれている日本語が分からないので教えてほしいと聞いてきました。日本語検定1級をパスしている学生で、翻訳について質問を受けることはあるのですが、日本語が分からないという質問は珍しいと思い、スタンプの画像を送ってもらうと「御意」や「左様」や「よしなに」という言葉が並んでいました。意味を説明していると、味わい深くて面白いという反応が返ってきました。時代劇や落語で使われる日本語の特集をしても面白いかもしれませんね。普段使わない日本語にも親しみをもってもらいたいです。

12月 活動日誌

2021年12月31日
GJOコーディネーター 岩澤 侑生子

良く晴れた日には、外でアイスクリームが食べられるくらい気候が穏やかな 12 月の台湾ですが、室内でじっとしていたり、雨が降ったりすると、一気に身体が冷えてしまいます。今月はたくさんの学生が GJO に遊びにきてくれたので、寒さに震える時間が短くてよかったです。

中間テストを終えた学生が、分からなかったところや間違ったところを聞きにきました。そのほとんどが助詞の間違いでした。台湾人日本語学習者のサポートをしていると、単語や文法はあまり間違わないことに気が付きます。助詞の違いを説明することは難しいので、いつもオフィスにある教科書を参考にしたり、インターネットで調べたりしながら説明しています。

修士論文の中間報告を控えた大学院生たちも来てくれました。それぞれ、修士論文についての悩みを打ち明けました。私も同じ境遇なので、お互い慰め合いました。

初めて GJO に来てくれた情報管理学科の学生もいました。日本語学科の HP に掲載してある GJO のチラシをみてきてくれたようです。ある YouTube の動画をみて、動画の作成者が日本人か台湾人か知りたいということでした。該当の YouTube を一緒にみましたが、音声がなく字幕のみの表示だったので、日本語が上手な台湾人なのか、あえてちょっと変わった日本語を使う日本人なのか、結局分かりませんでした。どんな形にせよ、日本語学科ではない学生が日本語に興味を持ってくれることは嬉しいですね。

期末発表のためのインタビューをしたいという日本語学科の学生たちも来てくれました。学生たちは、卒業したら、地元に戻って就職するべきか、大学院に進学するべきか、悩んでいました。ある学生は、日本の大学院で日中翻訳を学びたいとのことで、学校を色々調べたのですが、日本の大学院で翻訳を専門的に学べる学科は少ないようですね。台湾には輔仁大学の院に日中翻訳専門の学科があり、そこでは法律や医療翻訳なども学べるそうです。

最後に、大学の図書館に飾られていたトナカイをご紹介します。台湾ではクリスマスが終わっても、スーパーでクリスマスソングが流れていたり、旧暦のお正月を迎えるまでは、クリスマスの装飾がそのまま残ったりしています。まだまだ賑やかな台湾から、来年のみなさまのご健康とご多幸をお祈りいたします。

11月 活動日誌

2021年11月30日
GJOコーディネーター 岩澤 侑生子

いよいよ台湾にも冬の季節が到来しました。立冬の日はちょうど日曜日だったこともあり、友人たちのインスタグラムには、家族で美味しい食事を楽しむ姿や、温泉に行っている様子が見られました。この日を境に、ぐんと冬らしくなってきました。

台湾はこの時期、暑い日と寒い日が繰り返しやってくるので、毎日天気予報で温度を確認しながら、着ていく服を決めます。半袖でも大丈夫な日もあれば、コートを着ても充分ではない日もありました。

冬が短い台湾では、基本的に住居や学校に暖房器具は設置されておらず、身体を温める方法があまりありません。GJO淡江オフィスは日も当たらないので、学生たちが来ないままだと寒さに震えてしまいます。

中間テストの期間は学内でも学生の姿を見かけなくなり、学生からのメールでの問い合わせに対応しました。中国語学科の学生は、選択授業で日本語上級クラスを受けているようで、自己紹介の文章を添削してほしいと連絡がありました。

また、今月は主に構想発表を控えている日本語学科の院生の発表原稿を添削しました。日本語の添削は、いつも自分の日本語のボキャブラリーを試されるような感覚になります。意味は合っているけれども、文章全体のバランスをみたときに違和感がある部分は、ネイティブらしい言葉遣いに置き換えられるように頭をひねります。

最近の台湾映画についても話しました。台湾では毎年この時期に金馬賞(金馬奨)という映画賞の授賞式があります。台湾人の学生と、どんな作品がノミネートされているのか、注目されている作品など、台湾映画の現状についていろいろな話をしました。今年は修士論文の作業が忙しく、授賞式前にみることのできた作品は少ししかありませんでしたが、どれもレベルが高く、今後も台湾映画に期待したいです。

聴講している台湾史の授業を担当している先生から、GJOにコーヒーの差し入れがありました。たまたまオフィスの前で会ったときに、GJOの活動について話して以来、時々お菓子を持ってきてくださいます。

学生だけではなく、別の学科の先生方にもGJOの存在をもっと知ってもらいたいです。

10月 活動日誌

2021年10月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

10月現在、大学では、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリット形式で授業が行われています。初旬は教室に入れる人数の制限があり、出席番号の奇数と偶数で登校する日が分けられました。中旬からは人数制限が緩和され、11月からは全面オフラインでの授業になるようです。感染者数0が続き、友人と食事を楽しむ人や、遠出をする人も増えてきました。GJOオフィスも感染対策を行いながら、学生たちの日本語相談に応じました。

ある日本語学科の修士課程の学生は、論文を書きながら教育実習の授業も受けています。日本語教育について書かれたテキストを読みながら、実際の授業の進め方について意見交換を行いました。

ある日本語学科の学部生は、日本の小説の中から指定された文法表現を20個以上書き出すという宿題が出て、とても困っている様子でした。GJOオフィスの中にある小説の中から、ちょうどいい小説を見つけられたので、喜んでいました。

今月は日本語学科の学生だけではなく、他の学部の学生もオフィスを訪れてくれました。いつもGJOを訪れてくれる化学学科の学生が、学内にある国際センターのチャットコーナーで知り合った、情報管理学科の学生と一緒に来てくれました。新しく来てくれた学生は発音もきれいで、しっかり受け答えができるので、どこで勉強しましたかと聞くと、学校や塾で日本語を習った経験は一切なく、アニメを観て独学で習得したと言って驚きました。私もずっとラジオやテレビで中国語を聞き続けているのに、ネイティブレベルになかなか到達できないので、この差は一体何だろう…と少し落ち込みました。将来は、もし機会があれば日本で就職したいとのことでした。

それから、東京外国語大学の在学生が、わざわざ淡江オフィスまで来てくれました。バス停まで迎えに出たついでに、淡江大学近くのお店で豆花をテイクアウトしてオフィスで食べました。淡江大学の周りには美味しいお店が多いので、味わってもらえて良かったです。台湾の美味しいものの話で花が咲きました。校内を少し案内したあと、淡水駅付近くにある古跡を巡りました。媽祖廟、龍山寺、馬偕記念館など、港町として栄えた淡水の歴史を振り返りながら案内しました。

他にも、東京外国語大学の在校生が言語交換相手を探しているという連絡を受けて、言語交換を希望している淡江大学の日本語学科の学生を探しました。最近よくオフィスに遊びに来てくれる台湾人の女の子がぜひ!と言ってくれたので、紹介しようと思ったのですが、別の人が見つかったということで、残念でした。言語交換は、相性がいい相手が見つかれば、教科書では学べないリアルな表現を知ることができるうえに、同じ目的意識を持った者同士の友情関係を結ぶことができるので、とても良い仕組みだと思っています。私も台湾に来たばかりのころに学校が紹介してくれた台湾人と言語交換をずっと続けています。その相手とは親友も言っていいほどの仲になりました。

また機会があれば、淡江大学の学生と東京外国語大学の学生が知り合うお手伝いをしたいと思っています。

9月 活動日誌

2021年9月30日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

9月後半から授業が始まり、文学館にも22日以降立ち入ることができると聞いていましたが、結局最初の一週間は全校オンライン授業となり、オフィスに立ち入りができない状態でした。9月の最終週からオンラインとオフラインのハイブリット授業が行われることになり、やっと校舎が開放され、5月ぶりにGJOのオフィスで勤務ができるようになりました。自宅よりもネット環境がいいので、zoomでの日本語相談がスムーズでとても助かります。

日本語学科のHPをみて、新しく2人の学部生が日本語相談に来てくれました。今までは一対一での対応が多かったのですが、友達同士で来てくれると話題が尽きず、会話も弾むので楽しいです。1人は非常に日本語レベルが高く、アクセントなどもほとんど間違っていませんでした。本来ならば日本でのインターンが決まっていたのですが、コロナの影響で中止になり、4年生なので授業数もあまりなく、日本語を話せる機会を探していたので、GJOのような場所があってとても嬉しいと言っていました。もう1人の学生は、学校の規定で12月にN1を受けなければならないが、日本語能力にあまり自信がない様子でした。初回は簡単な自己紹介や趣味の話、地元のグルメの話で盛り上がりました。2回目は新学期が始まった時期だったので、授業で勉強した内容のおさらいや、日本語にはない中国語を色々教えてくれました。例えば「拖延症」は、一見すると何かの病気のように思えますが、なかなか物事に取り掛からない様子を表す新しい言葉だそうです。日本語に直すと「先延ばし癖」でしょうか。日本語が流暢な学生は、趣味で歌詞の翻訳もしているそうで、こういった特殊な言葉をどのように翻訳するか話し合うことができて非常に興味深かったです。その他には、N1を受ける学生に過去問を読んでもらい、意味を正確に理解しているかテストしました。あまり時間が無いので、毎日しっかり勉強して自信をつけてから試験に臨んでもらいたいです。今後もGJOに来たいと言ってくれたので、しっかりサポートしたいと思っています。

来月は林俊成先生からお願いされている秋学期の日本語教育遠隔授業の学生募集を行う予定です。

8月 活動日誌

2021年8月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

今月も文学館に立ち入ることができなかったので、オンラインでの活動を行いました。より多くの人にアクセスしてもらうチャンスを増やすため、オンラインの活動時間を長く設定しましたが、想定していたより人数が増えず、残念でした。クラスメイトに広報を頼んだり、日本語学科の先生にチラシを送ってもらったりしました。今後のGJOの活動の相談に乗ってもらったところ、来月から修士課程の学生の日本語訓練を担当することになりました。

zoomに遊びに来てくれた修士課程の学生とは、論文の進度や夏休みの過ごし方について話し合いました。学部生が来てくれた日は、コロナ禍の日本の話や、オリンピックの話で盛り上がりました。

8月25日には、5月9日以来初めて本土感染が0人になり、コロナが終息する兆しがみえてきました。学校も通常通り実地で開講されることになり、一安心です。

また、国産ワクチンの接種も始まり、ワクチン接種済みの友人が増えてきました。私は希望しているワクチンがまだ接種できるようになっていないので、外を出歩く時には人一倍気を付けています。

9月からは文学館での活動が始まりますが、来室した生徒の連絡先を記録したり、退室時にはアルコール消毒や空気の入れ替えを徹底したりするなど、感染予防に努めたいと思っています。

7月 活動日誌

2021年7月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

5月19日から延長を続けていた警戒レベルが台湾全島の感染状況が落ち着きつつあることを受けて、7月27日から警戒レベル2に引き下げられることが決定しました。今月は一日の感染者が一桁台だった日もあり、政府と民間の努力によって、コロナウイルスの流行が最低限に抑えられたように思います。毎日の定例会見で、国民に向けて真摯に情報発信している衛生局の職員たちのように、官と民の距離が近いことも台湾の強みであると言えるでしょう。

警戒レベルが引き下がってから、オフィスの様子を確認するため大学に足を運びましたが、キャンパス内の建物は依然として門が閉じられたままで、カードキーがないと立ち入りすることができませんでした。新学期にならないとオフィスでの活動ができなさそうです。

Facebookのルーム機能を使って学生たちと交流しました。日本語学科のある学生は、ワクチンを打ってから数日間はほとんどベットから起き上がれなくなったと言っていました。台湾では現在、お年寄りだけではなく、若い人に向けてオンライン上でワクチンの登録が出来るようになっていますが、まだワクチンが足りず、中高年の方や基礎疾患がある方が優先的に打てるようになっています。私が実際に打てるようになるのにはまだまだ時間がかかりそうです。

日本語のことわざや慣用句と中国語の成語について話し合いました。学部生のときに日本語のことわざや慣用句についてたくさん勉強したある学生は、日本語練習用のTwitterアカウントでことわざを書くと、日本人が反応してくれて嬉しいと言っていました。中国語の成語は日常でよく使われているのを耳にするけど、日本人は日常会話であまりことわざを使わないよと言うと驚いていました。

論文の添削も行いました。オンライン上で画面を共有しながら学生と一緒に添削しました。大きな間違いはほとんど無かったのですが、一つの文章がとても長くなる傾向があり、中国語の意味を聞きながら、なるべく読みやすい日本語になるように直しました。内容は、現代台湾文学に関するもので、知らない作品がたくさん出てきてとても勉強になりました。台湾人初の芥川賞を受賞した李琴峰さんの活躍も記憶に新しいですし、これからも台湾の文学が日本でも親しまれてほしいです。

6月 活動日誌

2021年6月30日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

5月15日から始まった警戒レベル3は当初は5月28日までの予定でしたが、感染状況が改善しなかったため、6月28日まで延長され、更に先日7月12日までの延長が決定しました。ただ、状況は変わりつつあり、感染者数は日々減り続けています。最近は二ケタ台をキープしており、買い物のため外に出ると、以前と比べて人手も増えているように感じます。

出勤や登校は制限されないものの、GJO淡江オフィスのある文学館は、自由に出入りができない状態が続いています。去年は夏休み中でもオフィスに遊びに来てくれた学生もいたので、とても歯がゆい思いです。7月にはオフィスに立ち入りできることを祈ります。

日本語学科の修士1年生と学部生が合同で執筆したレポートの日本語添削をしてほしいと依頼がありました。淡水に住む歴史研究者のインタビューをもとに書かれた文章でした。その中で「蝉がミーミーと鳴いていた」という記述がありました。「ミーミー」は小猫の鳴き声のようでとても可愛く感じました。日本人なら蝉の音といえば「ミーンミンミン」や「ジージー」などを思い浮かべるでしょうか。蝉の音を調べていると「ツクツクボーシ」というオノマトペもありました。実際の音を聞いてみると、私にはどうしても「ピュルルルボーシ」に聞こえます…。ちなみに台湾でも蝉の音を聞くことができます。自宅の近くに大きな森があるので、そこから蝉の音が聞こえてくると、まるで日本にいるように錯覚します。

それから、公式に日本語訳されていない固有名詞(建物名や作品名)などをどのように表記すればいいのかも悩みました。結局英語の表記をカタカナ読みにしました。日本語と中国語の言葉の感覚の違いを知ることができてとても楽しい作業でした。6月30日に「日本伝統芸能入門 能」というレクチャーイベントを開催しようとしましたが、当日、誰も参加者が来ませんでした。おそらく午前中の開催にしてしまったのが良くなかったのだと思います。後から参加希望者だった人たちからまた別の日程で開催してほしいと連絡があったので、7月も同じイベントを開きます。

5月 活動日誌

2021年5月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

本来なら5月下旬に中間テストがあるので、学生たちがいつも以上にGJOオフィスを訪れてくれるだろうと思っていましたが、5月頭に発生した航空パイロットの感染をきっかけに、台湾でコロナウイルスの本土感染が拡がってしまい、現在(5/31)もなお毎日400人ほどの感染者が確認されています。政府の迅速な対応や、毎日の定例会見で情報を得ることができているので、今のところ精神的な負担はまだ軽いものですが、ニュースを見ていると、マスクの着用を拒否して暴れる人が出てきたり、感染者が看護師に怪我を負わせたりする事件が起きるなど、人々の心に余裕がなくなっているのではないかと思わせるような報道が目につきます。

淡江大学は5/15に二週間のオンライン授業が決定しました。この段階では学校の校舎に自由に出入りすることができ、先生も教室から配信を行っていました。その後あまり時間を空けることなく今学期の終わりまで全面的にオンライン授業が決定して、文学館には学生証を登録している人のみ立ち入りを許されることになりました。

以前、閉館時間が過ぎて作業をしていたときに校舎から出られなくなったことがあったので、登録してほしいと教務課にお願いしたのですが、文学館の学生じゃないと登録を許可できないとのことでした。夏休み中、オフィスに立ち入ることができるかは現段階ではまだ分かりませんが、いずれにしても多くの学生たちが淡水を離れ実家に戻っている現状から、オンライン上での交流を強化していきたいと考えています。

5/31に京ことば(京都弁)のWSをFB上で行いました。(本来はzoomを使用したかったのですが、台湾では基本的に使用を勧められていません)

日本語学科の講師や学生が7人集まってくれました。まず、簡単に京ことばについて説明しました。私も知りませんでしたが、京ことばはいくつかの源流に分かれており、京都御所で使われた言葉と町中で使われた言葉に違いがありました。職業によっても微妙なニュアンスの違いがあることが個人的に面白い発見でした。

おはよう、こんにちは、さようなら等の簡単な挨拶を中心に、一人ひとり京ことばを練習してもらいました。関西出身ではない日本人が関西弁を真似ると、往々にして不自然になりがちですが、台湾の学生たちの耳がいいのか、京ことば独特のゆったりとした微妙なイントネーションも感じ取って繰り返してくれました。

他にも京都人の特質や難しい地名の読み方に関するクイズ等、スライドをたくさん用意していましたが、最後には時間が足りず、駆け足で終わってしまいました。

参加してくれた学生たちは、普段あまり日本の方言に触れる機会が無いのでとても楽しく勉強になったと感想を述べてくれました。

想像していたよりも反応がよく、今回時間の都合が合わなかった学生数名から、また機会があれば参加したいと連絡をもらったので、6月もこういったイベントを行いたいと思っています。現段階では、日本の伝統芸能である「能」をテーマにしたいと考えています。

4月 活動日誌

2021年4月30日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

4月になっても水不足が続き、連日のニュースで節水を呼び掛けています。去年台風が来なかったから水不足になったという話を学生と話しましたが、それ以外にも、ダム施設や水道管の老朽化で水が漏れていることや、水道代が安すぎるから皆あまり節水せず水を無駄に使っているなど、水に関する問題が山積みのようです。確かに台湾の水道代は一ヶ月400円くらいで、日本に比べるととても安いです。私もついつい水を無駄に使っていることを反省しました。

4月中旬の中間テスト対策のため、日本語学科の学生がGJOに来てくれました。テストはグループで行うのではなく、先生と一対一でテストする形式で、教科書で習った文法を使って会話をしていくというものでした。最初に来てくれたときは教科書を持ってきてくれなかったため、テストの形式についてあまりよく理解できませんでした。どのように練習すればいいのか分からず、少し困りましたが、二回目には教科書を持ってきてくれたので練習しやすくなりました。立場の違う人に自分の家族や友達を紹介するという内容でした。日本語は立場や状況をみて相応しい言葉遣いを選ぶ必要があります。簡単な会話内容であっても、日本語学習者にとっては難しく感じるようです。

日本語学科の講師の方がオフィスに、来月の日本語学科の卒業公演の招待状を持ってきてくださいました。淡江大学の日本語学科では、毎年日本語の戯曲を使って演劇公演を行っています。去年末に授業をお手伝いした縁でご招待いただけるようになりました。学生たちの成長を見るのが楽しみです。

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