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井筒俊彦著、野平宗広訳、ぷねうま舎、2014年1月23日
英文のままに残された、碩学渾身の労作。禅と哲学──不立文字の核心に、今日の思想と言葉で迫る。 欧米人に向けて、東方仏教思想の根源を語りかけること。その工夫によって、禅の精神が新しい光のもとに立ち上がってくる。概念的思考を嫌い、ひたすら生まれたてのリアルな経験の場への突破を目指す実践を、言葉に移し植えようとする。 東西宗教思想の呼応と交叉を、その最深部で捉える、繊細にしてダイナミックな井筒宗教思想の挑戦。【装幀?菊地信義】
ボリス?アクーニン著、沼野恭子訳、岩波書店、2014年1月23日
舞台は19世紀末モスクワ、一人の青年がピストル自殺を遂げた。捜査に当たる新人文官ファンドーリン。簡単な事件と思いきや、突如あらわれた絶世の美女、新たな殺人、そして遺された謎の言葉〈アザゼル〉――。必読のシリーズ第一作!
マシャード?ジ?アシス著、武田千香訳、光文社、2014年2月13日
「いつもいっしょ…」「こっそりと…」「もし二人が恋仲にでもなったら…」彼女は視線をゆっくり上げ、わたしたちは互いにみつめあった…。みずみずしい描写で語られる愛と友情、波瀾万丈の物語。小説史上まれにみる魅力的なヒロインが、こんなところに隠れていた。美少女と美少年、美しくせつない「恋」と「疑惑」の物語…偏屈卿と呼ばれた男の、数奇な?自叙伝?ブラジル文学の頂点。ブラジル文学第2弾!
ロベルト?ボラーニョ著、久野量一訳、白水社、2014年3月1日
カフカやボルヘスへのオマージュを込めた五つの短篇、文学についての驚くべき知性とユーモアが発揮された二つの講演原稿を収録。没年に刊行された、ボラーニョ最後の短篇集。解説=青山南。
富田英司、田島充士著、ナカニシヤ出版、2014年3月1日
現在の大学教育の課題とは何か。学生が大学で身につけるべき力とは何か。コミュニケーション能力の育成の方法やその教育法の開発に生かせる理論的/実証的研究を「越境の説明力」を軸に集約。科学的研究による大学教育改善への提言。
今福龍太著、新潮社、2014年6月30日
〈書物〉とは地質学的時間と歴史的時間を結んで生じた、大いなる変身の産物である。原初の〈書物〉を求めての探索は、記憶の種子を孕む叡智の森へ、惑星地球を包む孤高の氷山へ、地層を成す琥珀に眠る虫たちを沈黙とともに宿す洞窟へ――生命の変身と連鎖の物語を、変幻自在な〈書物〉の魂として追体験し、その力を語り継ぐ。
武田千香著、平凡社、2014年6月13日
急ぎの用があるのにコピー機には行列が……。そんな時、先頭の人と交渉して順番を譲ってもらうなど、決まり事に多少反しても、臨機応変に対応し、ちゃっかりと目的を遂げるのがブラジル流“ジェイチーニョ”だ。
ボサノバ、サンバ、サッカーの国、そして近年、急激な経済的発展を遂げた国?ブラジル。ブラジルとは一体どんな国なのか!? 国民性をもっとも表すと言われる“ジェイチーニョ”からその謎に迫る。
チュット?カイ著、岡田知子訳、東京外国語大学出版会、2014年6月30日
アジア文学の新たな息吹を伝える〈物語の島 アジア〉シリーズ。
第2弾はカンボジア文学の秀作三篇。
人はなぜ子どもの頃を振り返り、その風景を眺めたくなるのか。フランス植民地時代からクメール?ルージュの時代、豊かな自然のなかで人々がおおらかに暮らす故郷を舞台に、カンボジアの激動の歴史と過酷な運命を生き抜き、難民としてフランスへ渡った作家が、ユーモアとアイロニーと愛惜を込めて煌めく幼少時代の思い出を描く。
「寺の子ども」「フランス学校の子ども」「かわいい水牛の子」の三篇を収める。
フローリアン?イリエス著、山口裕之訳、河出書房新社、2014年12月24日
第一次大戦の前年のヨーロッパ――人々は何をしていたのか。ひと月ごとに著名人たちの動静の膨大な断片をつなぎあわせながら、1913という1年を描き出す空前のドキュメント。
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