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フアン?ガブリエル?バスケス著、久野量一訳、水声社、2016年1月1日
「ジョゼフ?コンラッド、あなたはぼくを盗んだ、あなたはぼくの人生を排除した…」コンラッドが描き出した架空の国コスタグアナ、しかしそれは、歪曲されたコロンビアの歴史だった…『ノストローモ』創作の陰に隠蔽されたコロンビア人の影を浮かび上がらせ、語られなかった物語、語られなかった歴史を南米側から暴きだす、現代ラテンアメリカ文学の傑作。
田島充士?中村直人?溝上慎一?森下覚編著、ナカニシヤ出版、2016年4月20日
教職課程を履修する学生たちが、長期間にわたり教師見習いとして学校で研修を行う「学校インターンシップ」が広まりつつある。
どのように導入されており、どのような効果があるのか。またその背景理論とは。今後の教員養成のあり方を論じる。
L.ウィトゲンシュタイン著、丸山空大訳、星川啓慈 / 石神郁馬解説、春秋社、2016年4月29日
ウィトゲンシュタインが第一次世界大戦の激戦のさなかノートに書きとめた哲学的アイデアは、のちに『論理哲学論考』に結実するが、彼が硝煙弾雨のなかで綴ったのはそれだけではなかった!
彼は同じノートの半分に、戦場の生活、恐怖、欲望、嫌悪、叫び、祈りを赤裸々に書きとめていたのだ。ウィトゲンシュタインの生の姿を明らかにし、『論考』をはじめ彼の哲学の解釈に多大な影響を及ぼすにちがいない秘密の日記、世界初の完全版。
村尾誠一著、明治書院、2016年5月23日
不治の病に呻吟しながら、「貫之は下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集に有之候」と言い放ち、「世の人は四国猿とぞ笑ふなる四国の猿の小猿ぞわれは」という自覚の下に和歌の革新を主張した正岡子規。彼が36年の余りにも短い生を終えた後には歌稿「竹乃里歌」が遺されていた。これを中心として、他の著述や書簡等により知られる作品を補った全歌集に、万葉集をはじめ、彼が批判しつつも摂取した古今以降の古典和歌にも目配りしつつ、詳注を加える。
スティーヴン?シェイピン、サイモン?シャッファー著、吉本秀之監訳/柴田和宏、坂本邦暢訳、名古屋大学出版会、2016年5月30日
実験で得られた知識は、信頼できるのか。空気ポンプで真空実験を繰り返したボイルと、実験という営みに疑いをもったホッブズ。二人の論争を手がかりに、内戦から王政復古期にかけての政治的?社会的文脈の中で、実験科学の形成を捉え直した名著、待望の邦訳。
アンナ スタロビネツ著、沼野 恭子 / 北川 和美訳、河出書房新社、2016年9月22日
6歳の双子の兄がある日何かにおかされ、10年の年月をかけて徐々に醜く変身していく。やがて双子の妹と母親に訪れるあまりに残酷な結末……中編「むずかしい年ごろ」をはじめ、革命と呼ばれる殺戮のなか、生き残った者が人造人間を購入する黙示録的未来小説「生者たち」、列車の中で目覚めた男が別世界に迷いこむ「家族」、心臓が止まっても生き続ける男の不条理小説「ヤーシャの永遠」、異物に取り憑かれた男の話「待っている」ほか、全8編を収録した作品集。
現代ロシアを代表する若手作家のひとり、アンナ?スタロビネツによる初作品集!?
イルマ?ラクーザ著、山口裕之訳、共和国、2016年11月07日
国際的な作家であり翻訳家、そして世界文学のしたたかな読み手である著者が、本を読むことによって「ラングザマー(もっとゆっくり)」とした時間の回復を試みる、極上の世界文学ガイド/読書論。本書が著者の単行本としては本邦初訳。
いま、わたしたちを取り巻くこの世界から脱出し、本のなかを流れる時間に身を委ねて、まだ見ぬもうひとつの日常、もうひとつの風景へ――。
松浦 寿夫 / 中林 和雄 / 沢山 遼 / 林 道郎著、水声社、2016年12月9日
「絵を描き続けたまえ 絵画との契約である」
《Work》、《Still Life》、《Color》などのシリーズをはじめ5000点もの作品を遺した山田正亮(1929-2010)。「endless 山田正亮の絵画」展(東京国立近代美術館で開催中、2017.3.1~4.9に京都国立近代美術館へ巡回)に先立ち、画家、美術批評家、学芸員らがレクチャー、討議を重ね、その制作の過程、作品の変遷等を多角的に考察しその実像を剔出する。読んでから観る/観てから読むのエンドレス。
R?タゴール著、丹羽京子訳、本郷書森、2016年12月12日
アジア初ノーベル文学賞受賞者、時代の予言者、芸術家タゴールの、初めての日本訪問印象記
パスカル?キニャール著、博多かおる訳、水声社、2016年12月20日
友人の結婚式をきっかけに、故郷の町に帰ってきたクレール。思いがけず弟ポールと、海辺の小屋で暮らすこととなる……
リュミエール兄弟が初めてカラー写真を作った洞窟のある町を舞台に繰り広げられる、弟、老ピアノ教師、かつての恋人シモンらとの、親密で奇妙なつながり。
キニャールが最も愛する、美しき光の物語。
和田忠彦著、共和国、2016年12月30日
『インド夜想曲』『レクイエム』などで現代イタリア文学に圧倒的な足跡を刻んだアントニオ?タブッキ。かれの最良の理解者のひとりにして友、そして翻訳者でもある著者が描き出す、タブッキに寄り添って歩んだ《旅》のメモランダム。夢や虚構と現実のあわいを生きたタブッキの風景と記憶が、かずかずの断片のなかに浮かびあがる。
タブッキの短篇「元気で」、そして1997年に収録されたふたりの対談を付す。
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