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ウンベルト?エーコ著、和田忠彦監訳、石田聖子?小久保真理江?柴田瑞枝?
高田和広?横田さやか訳、
河出書房新社、2018年11月22日
現代屈指の知性が、思想、哲学、文学から、メディア、サブカルチャーまで縦横無尽に語った文明の秘密。「見えないもの」「陰謀」「絶対と相対」「炎は美しい」など。図版136点。
丸山空大著、慶應義塾大学出版会、2018年10月16日
43歳で他界したドイツのユダヤ人思想家、フランツ?ローゼンツヴァイク。 彼の若年期から晩年までの思想的展開とその到達点を明らかにする。
初期におけるドイツ近代史への関心、キリスト教への改宗の断念、 主著『救済の星』における独自の救済史的思想の展開――。
さらに後期思想における、 一人ひとりの日常の生と宗教の関係の追究、 自ら力を傾けたユダヤ教の宗教教育の実践等から、 彼の思考の深化と全体像を解明する、注目作。
大髙 保二郎監修?著、 久米順子?松原典子?豊田唯?松田健児著、NHK出版、2018年8月30日
スペイン美術のスペイン的特質を解き明かす、通史としてのスペイン美術史の試み
先史時代のアルタミラ洞窟壁画から、ローマ時代、イスラームとレコンキスタの時代、絶対王政の時代を経て、ナポレオン支配とスペイン内戦、そして?ゲルニカ?の帰還まで。スペインという国の歴史をたどりつつ、時代時代の美術の特質を浮き彫りにする。「天才」に代弁させることで事足れりとしてきたスペイン美術史を書き換え、スペインらしさの源泉を探る。
逆井聡人著、青弓社、2018年8月8日
焼跡や闇市を表象する小説や映画、批評を検証することを通して、私たちがもつ戦後日本という歴史認識や国土イメージをあぶり出す。「戦後日本」という枠組みから「冷戦期日本」という歴史認識へのパラダイムシフトを提起する挑発的な日本論。
柴田勝二編、勉誠出版、2018年8月
生誕一五〇年を超えた二人の文学者の交流?相互の影響関係と、同時代の近代日本のありようを捉えなおす―
正岡子規は、写生や俳句をどのような表現手法として考え、確立させ、創作を続けたのか。そしてそれは、夏目漱石にどのような影響を与えたのかを詳細に考察。
同時に、子規?漱石をはじめとした日本文学の翻訳状況や、世界からどのように読まれているのかの考察、近代文学と近代史をつなぐ論考から、近代日本をも再考する。
丹羽京子著、青弓社、2018年8月6日
ベンガル語はバングラデシュの国語であり、インド?西ベンガル州の公用語。ノーベル賞詩人タゴールを生み出した伝統を持つ言語。
久野量一著、松籟社、2018年6月1日
キューバの芸術においては、二つの潮流、二つの詩学がある。
――キューバは世界史上の磁場であり、特別な存在である、ゆえにこの島は「重い」。 ――キューバは曖昧で不明瞭な存在だ、言わばこの島には「重さがない」。
自らのアイデンティティを自明視する「肯定の詩学」と、それを疑う「否定の詩学」。
相反する二つの詩学を両輪に走り続けてきたキューバの文学を、複眼的な視線で追う。
岩崎務著
白水社、2018年7月6日
日常的な会話文からラテン語の文法を学びましょう。凱旋式や公衆浴場など、古代ローマの情景が音声つきで蘇ります。名言集も収録。
岩崎稔?成田龍一?島村輝編、勉誠出版、2018年6月
東アジアの新たなるコモンとは何か―
二つの世界大戦から、インド独立運動、朝鮮戦争、ベトナム戦争、沖縄返還など、アジア激動の20世紀を捉え直す。
作家や知識人が残した言葉から、友好と対立が入り乱れる戦後の日中韓関係史を整理、戦後に忘却された東アジアの歴史を浮かびあがらせる。
ナショナリズムとグローバリズムという二つの普遍主義を問い直し、政治的対立を超えた、これからの連帯の可能性を探る。
ソロモン?ヴォルコフ著、亀山郁夫?梅津紀雄?前田和泉?古川哲訳、大学出版部協会、2018年4月
天才芸術家と独裁者の奇妙な「共犯」関係を暴きだす
ソヴィエト社会主義時代、独裁者スターリンにたいし抵抗とも服従ともいいがたい両義的な態度をとったショスタコーヴィチ。彼が生み出した作品もまた、時にプロパガンダ風であり、時に反体制的であるような二重性を帯びていた。
著者ヴォルコフは、ショスタコーヴィチ再評価の機運をつくった前著『ショスタコーヴィチの証言』刊行四半世紀を経て、歴史的裏付けをとりつつ、独自の手法により作曲家の実像にさらに迫ろうと試みている。本書では、内面的なジレンマを抱えながらも、スターリンと直接わたりあうショスタコーヴィチを、ロシア史上の独特の人格、聖愚者(ユローディヴィ)に見立て、権力者との対峙の仕方を詳細に分析しているのである。
スターリンは冷酷な顔をもつと同時に、芸術を愛する独裁者でもあった。しかし単に芸術家を庇護したわけではなく、彼らを国家的プロパガンダに利用し、弾圧した。パステルナーク、マンデリシターム、ブルガーコフ、エイゼンシュテイン、ゴーリキー、プロコーフィエフ……同時代の芸術家との関わりのなかで、ショスタコーヴィチは全体主義と芸術の相克をどのように乗り越えようとしたのか、スリリングに描き出していく。
フリードリヒ?ハイラー著、丸山空大?宮嶋俊一訳、国書出刊行会、2018年3月
古今東西の資料を博捜して祈りを「類型化」したドイツ宗教学確立期の代表的作品であり、預言者的?神秘主義的という宗教の2類型を提示したことでも知られる。いち早く現象学的発想を取り入れた本書は世界各国語に翻訳され、祈りに関する研究で本書に言及しないものはないと言っていい。1918年の初版刊行から100年を迎えてなされた本邦訳により、ここにその全体像が明らかとなる。
ファム?コン?ティエン著、野平宗弘訳、東京外国語大学出版会、2018年2月28日
〈深淵〉に声を上げさせるため、すべての言語を叩き潰すのだ……
ベトナム戦争の混迷が続く1967年、26歳の若き詩人が放った思想闘争の書。
ハイデッガー思想との対話/対決を通じ、ベトナム戦争の窮極的原因を西洋形而上学と見定めた著者が、祖国の底に流れる東洋の叡智をもって、西洋近代が忘却してきた〈存在〉の覚醒を訴え、一切の思弁を破壊して、洋の東西を越えた人類共通の故郷たる〈深淵の沈黙〉への路を提示する――時代の閉塞に挑んだ、孤高の思想を初邦訳。
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