チベット幻想奇譚
- 刊行
- 著者等
- 星泉、三浦順子、海老原志穂編訳
- 出版社
- 春陽堂書店
内容の紹介
チベットの現代作家たちが描く、現実と非現実が交錯する物語を集めました。伝統的な口承文学や、仏教、民間信仰を背景としつつ、いまチベットに住む人々の生活や世界観が描かれた物語の数々は、読む者を摩訶不思議な世界に誘ってくれます。時代も、現実と異界も、生と死も、人間/動物/妖怪?鬼?魔物?神の境界も超える、13の短編を掲載した日本独自のアンソロジーです。
訳者のコメント
星泉(アジア?アフリカ言語文化研究所/教授)
魔物や妖怪の話をきらいな人は少ないんじゃないでしょうか。チベットにも魔物や妖怪の話が大好きな人がたくさんいます。この作品集では、そうした話を聴いて育ったチベットの作家たちが描く物語を集めました。本書を編むきっかけは、訳者らが編集している『チベット文学と映画制作の現在 SERNYA』6号で「異界からの呼び声」という巻頭特集を組んだことでした。われわれに比べて異界をはるかに身近に感じているとおぼしきチベット人作家の描く幻想奇譚を読んでみたくなったのです。今回は1960年代から90年代生まれまでの様々な世代の作家の作品を集めました。ユニークな作品ばかりです。お楽しみいただければ幸いです。『チベット文学と映画制作の現在 SERNYA』のウェブ版(https://sernya.aa-ken.jp)もオープンしましたので、併せてご覧ください。