2023春、新任教員特集
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2023年4月に東京外国語大学に着任した教員からみなさんへメッセージをいただきましたのでお届けします。
吉崎 知典 / YOSHIZAKI Tomonori
大学院総合国際学研究院 特任教授
専門分野:国際政治、ヨーロッパ、平和構築、国連PKO、日本の安全保障
専門はアメリカとヨーロッパを中心とした国際関係と同盟研究ですが、国連平和維持活動(PKO)や国際交流にも関心があります。地球の裏側で起こる紛争が、私たちの生活や将来に直接的な影響を及ぼすことをウクライナ危機は教えてくれました。グローバリズムの課題と未来を皆さんと一緒に考える機会があれば幸いです。
シェーク タリク / SHEIKH Tariq
大学院総合国際学研究院 准教授
専門分野:比較文学?比較文化研究、カルチュラル?スタディーズ、エコクリティシズム
専門は比較文学で、南アジアと東アジアの文学を歴史学、地理学、環境学などの学問領域と関係付けながら、学際的に研究しています。エコクリティシズムのツールを使用して、人間が自然や生態系をどのように認識し、その認識が歴史や社会関係をどう形成するかを研究しています。また、地理的な周縁性が文学や文化の生産にどのように関与しているかにも興味があります。どうぞよろしくお願いいたします。
ホルカ イリナ / HOLCA Irina
大学院国際日本学研究院 准教授
専門分野:日本近現代文学
専門は日本の近現代文学です。特に明治期の自然主義文学や私小説、「事実」と「虚構」の関係について研究してきました。「内容」と「形式」の両方を視野に入れたテクスト分析を重んじ、また文学の生成?消費?流通(歴史的背景、メディアや読者層の特徴、翻訳の役割など)にも着目しています。学生さんには様々な文学作品を読みながら研究の楽しさと奥深さを知り、日本から世界へと視野を広げてもらえたら嬉しいです。
生駒 美樹 / IKOMA Miki
世界言語社会教育センター 講師
専門分野: 文化人類学、ミャンマー地域研究
専門は文化人類学で、これまでミャンマーの山間部で茶生産に従事する少数民族の人びとについて研究を行ってきました。文化人類学を学ぶことの醍醐味は、異文化への理解を深め、自文化の「あたりまえ」を相対化する視点を得ること、そして文化や社会が構築されたものだと理解し、それらをより良く変えていくことができると知ることにあると思います。ミャンマーをはじめ現代社会が直面する複雑な課題に対し文化人類学や地域研究という学問がいかに応答できるのかについて、みなさんと共に学びながら模索していきたいと考えています。
入江 哲朗 / IRIE Tetsuro
世界言語社会教育センター 講師
専門分野:表象文化論、アメリカ思想史
私が担当する表象文化論という学問分野においては、絵画、マンガ、写真、映画、アニメーション、ビデオゲーム、演劇、音楽、ダンス、文学、思想など多種多様なものが対象となりえます。そのなかでも私は特に、アメリカ思想やアメリカ映画などを研究しています。何かが何かを「表象する」という関係のあり方が歴史的、文化的、政治的、社会的な文脈ごとに異なることを領域横断的に考察する──表象文化論のこうした醍醐味を、みなさんとぜひ共有したいと思っています。
金 悠進 / KIM Yujin
世界言語社会教育センター 講師
専門分野;インドネシア地域研究、ポピュラー音楽
インドネシアのポピュラー音楽を研究しています。若者が多く、経済成長が著しいインドネシアでは、伝統音楽だけでなく、ロックやヒップホップなど現代的な音楽ジャンルもとても人気です。このような一見すると単なる「趣味」ともいえる音楽が、インドネシアの社会とどのように結びついているのか。文化、政治、産業、社会を総体的に捉えながら、インドネシアの面白さを学んでいきましょう。
竹田 恵子 / TAKEDA Keiko
世界言語社会教育センター 講師
専門分野:ジェンダー/セクシュアリティ研究、社会学
専門はジェンダー/セクシュアリティ研究です。主な研究テーマは3つあり、ひとつは第三波以降のフェミニズムの研究成果と社会理論の接合について探求することです。ふたつめはジェンダー/セクシュアリティ、社会学の観点から女性を含むマイノリティのポピュラーカルチャーにおける表象について分析することです。さらに、芸術分野におけるジェンダー/セクシュアリティ教育の実態を明らかにするために、質的および量的社会調査を行っています。ジェンダーやセクシュアリティ研究はみなさんが日常的に経験する こととつながっています。もしそこに「もやもや」や違和感があるとしたら、 その問題をより大きな構造や制度のなかで考えることができるので す。
土肥 篤 / DOHI Atsushi
世界言語社会教育センター 講師
専門分野:イタリア語学、イタリア方言学、統語論、語用論
イタリア語学を専門として、人間が言葉を使ってコミュニケーションをとる仕組みの一端を解明すべく研究しています。イタリア語というと、イタリアという国と一対一で対応しているようなイメージがあるかもしれません。でも実際には、イタリア語はそれだけではないし、イタリアもそれだけではありません。複雑で多様な「イタリア」と「ことば」に興味を持っている学生の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
伊藤 相 / ITO Ai
世界言語社会教育センター 特任助教
専門分野:野外教育、環境教育
専門は野外教育で、北欧の野外教育や環境思想を中心に研究を行っています。最近は特に、北欧独自の野外活動文化であるfriluftsliv(フリルフスリフ)に関心があります。
近年人気を集めている登山やキャンプ、クライミングなどの野外活動は、生涯楽しむことのできるスポーツ/レクリエーションです。東京外国語大学では、学生の皆さんとともに野外活動を含むあらゆるスポーツを実践し、自然との余暇的な関わり方や生涯に渡るスポーツ実践について学びを深めていくことを楽しみにしています。
中條 千晴 / CHUJO Chiharu
世界言語社会教育センター 特任講師
専門分野:ジェンダー研究? ポピュラー音楽
専門はジェンダー論とフェミニズム史、ポピュラー音楽、メディア文化です。これまでフランスで15年過ごし、ポピュラー音楽と広い意味での政治との関係に焦点をあて、特に女性の社会的位置や女性表象を中心に研究してきました。私たちが普段何気なく聴いている音楽や音楽動画のなかに潜む権力構造や、それに抗う実践、またそのような表現活動がどのように受容されているかについて、皆さんと一緒に考えていきたいです。
相場 いぶき / AIBA Ibuki
世界言語社会教育センター 特任助教
専門分野:日本語教育学
専門は日本語教育で、タスク型の教科書作成や問題解決プロジェクトを取り入れた実践を行ってきました。近年は、プロジェクト型の言語教育における学習者のビリーフ?学習ストラテジーの影響に関心を持っています。高校での英語教師を経て、これまで秋田、米国ペンシルバニア州、東京の小規模なリベラルアーツ大学で日本語教育に携わってきました。本学でも学習者が持つ多様性を活かした教育実践を重ねていきたいと思います。
黒沼 太一 / KURONUMA Taichi
アジア?アフリカ言語文化研究所 助教
専門分野:考古学?デジタル人文学
専門は中東地域、特に南東アラビア(オマーン?UAE)の考古学です。先史時代を主体にしつつ現代イスラーム社会の成立に至るまでの文化と社会の長期的な変容に関心を持っており、現地でのフィールド調査に加え、リモートセンシング?地理情報システムなどの技術を取り入れた研究を展開しています。今回、東京外国語大学に着任することとなり、隣接分野の研究者と協働して、人文情報学的手法を組み合わせながら多面的?重層的に中東の社会や歴史を研究したいと考えています。
村津 蘭 / MURATSU Ran
アジア?アフリカ言語文化研究所 助教
専門分野:文学人類学、映像?マルチモーダル人類学、アフリカ地域研究
これまで私は西アフリカ?ベナンの宗教実践における経験を、文化人類学と映像?マルチモーダル人類学の枠組みで研究してきました。アフリカでは現在に至るまで、宗教は人々の生活に強く根付いています。そうした中、研究で焦点を当てて来たのは、キリスト教の教会や在来信仰で強い存在感を持つ悪魔や妖術師といった霊的存在が、いかに人々の間に現れ関係を紡いでいるのかということです。また、論文など従来の学問的な記述だけではなく、映像やインスタレーション、フィクションといった様々な手法を用いながら成果を公表することで、記述だけでは捉えきれないフィールドのあり様や知の形を探究しています。様々な文化背景や専門を持つみなさんと交流できることを楽しみにしています。
他にも下記の教員が新しく東京外大の一員に加わりました。
- TYNDALL Regan Edward(世界言語社会教育センター 特定外国語教員?英語)
- VENTO ACOSTA Alvaro Enrique(世界言語社会教育センター 特定外国語教員?スペイン語)
- PROKHOROVA Maria(世界言語社会教育センター 特定外国語教員?ロシア語)
- PHOKHASILI, Khammet(世界言語社会教育センター 特定外国語教員?ラオス語)
- Bui Thi Duyen Hai(世界言語社会教育センター 特定外国語教員?ベトナム語)